Noratetsu Lab

動じないために。

投稿先: https://noratetsu.blogspot.com/2023/03/Scrapbox-title.html

【こういう】Scrapboxのページタイトルはスレタイ風に隅付き括弧を使うことにした【形式】

 ここのところ、未だかつてなくScrapboxを盛んに使っている。といっても非公開の個人プロジェクトの話だが、きっかけがあって劇的に使いやすくなった。

 

 これまでずっとページのタイトルの付け方に納得がいっていなかった。全然Scrapboxが悪いとかではなく(そりゃそう)、自分がうまくやれないでいただけの話である。

 特にうまくできなかったのが、Web記事などの中の文章をScrapboxに保管しようと思った時のページタイトルである。記事のタイトルにすべきか、引用した文章そのものにするか、内容の要旨にするか。記事タイトルは必ずしも保存したい内容に沿っているとは限らないし、文章そのものというのもその文章が名言的なものでなければあまり有効でない。一時期は「~~は……である(要旨)」みたいな書き方をしたりしていたが、なんだか全然しっくりこない。

 単に「~~は……である」だけでいいのでは、というのはもちろんあり得ることなのだが、自分が思いついた発想と誰かの言葉から得たものとを区別したいという気持ちがある。なので何かしらのルールでタイトルを書き分けたかったのだが、その目的に於いては記号や絵文字を付けると見た目に煩わしく感じてしまう。どうしたものか。

 

 なかなか答えが出ないままでいたのだが、先日、ふとあることを閃いた。ページタイトルをスレタイみたいにすればいいのではないか?

 スレタイと言っても色々あるが、イメージしているのはニコニコ動画でもよく見る隅付き括弧で挟むタイプのものだ。匿名掲示板はそんなに見に行ったことはないのだが、本題に対してサブタイトルが二つに分かれて左右についている形式を最初に見た時にはなんだかとても面白く感じたのを覚えている。以下スレタイと言ったらこの形のことを指しているということにする(この形式に何か名称があるのかわからなかったため)

 

 Scrapboxのページタイトルとしては、例えばこんな感じのページを作るようになった。いずれも実際に作ってあるページである。

  • 【名文】真にカルチベートされた人間になれ【太宰治】

  • 【なるほど】覚えたい英単語でショートストーリーを作らせる【ChatGPT】(→出典

  • 【💡Scrapbox】ページタイトルはスレタイ方式にする【実践】

  • 【感想】RemNoteを使ってみた【惜しい】

  • 【悩】ローカルサーバー方式でデータを保存すると一部文字化けする問題【解決🎉🎉🎉】

  • 【2023/03/12】漠然と体調不良【翌日解消】

 パターンはいくつかある。整理すれば「【感想】~【出典・対象等】」「【分類】~【状態】」の形が多いだろう。如何にもスレタイっぽくなる場合もあるが、別に如何にもなスレタイっぽくしたいわけではないので、ただ日付を入れたり絵文字や顔文字を入れたりすることもある。例に挙げたのはいずれも両端に隅付き括弧をつけているパターンだが、頭の方だけつけているページもある。

 で、この場合、【名文】とか【なるほど】というような言葉を頭につけたものは明らかに自分以外の誰かの発信が元だとわかる。逆に【💡Scrapbox】は「💡」で閃きを示しており、自分が思いついたことだとわかる。自分発のものと他人発のものの区別がしたいということはこれでクリアである。

 前々から、頭の方に隅付き括弧で種別を添えることはあった。例えば「【JavaScript】指定した要素の位置までスクロールする方法」という感じ。しかしスレタイのイメージは浮かんでいなかったので、感想をそこに書いてしまうという発想はなかった。

 

 この形式の良いところは、なんといっても情報量が増えることだ。一文に領域が三つでき、それぞれメインとサブ①、サブ②であることが明らかである。且つ、隅付き括弧同士は繋がっている可能性があるが、真ん中の内容部分とは少し断絶があるという独特のニュアンスを持っている。そしてメインが何であるかは明確でありながら、両脇も強調している感があるのが面白い。

 例えば「【名文】真にカルチベートされた人間になれ【太宰治】」というタイトルについて考えてみる。この一文が示しているのは「『真にカルチベートされた人間になれ』というメッセージを含む太宰治の名文」であることがほぼ明らかである。「太宰治の名文」という要素が、【名文】【太宰治】に分割されている(【太宰治】~【名文】の順でもいい)。ちなみに、「太宰治のこと」ではなく「太宰治が書いたもの」であることを明示したいという理由で【名文】を敢えてつけている。

 これが「【太宰治の名文】真にカルチベートされた人間になれ」とか「真にカルチベートされた人間になれ【太宰治の名文】」とかいう形だと、サブの部分が重たくなり、なんだかバランスが悪い。一方、むしろ情報を足して「【太宰治の名文】真にカルチベートされた人間になれ【正義と微笑】」とするとまた見やすさを取り戻す。天秤のように左右に重さが乗っていればサブ部分がある程度長くても違和感がない。

 とはいえ短く済むならその方がスッキリする。作品名を入れたら必然的に「書いたもの」の話なので「の名文」はカットしてもいいだろう。比較しやすいように列挙してみよう。

  • 【名文】真にカルチベートされた人間になれ【太宰治】

  • 【太宰治の名文】真にカルチベートされた人間になれ

  • 真にカルチベートされた人間になれ【太宰治の名文】

  • 【太宰治の名文】真にカルチベートされた人間になれ【正義と微笑】

  • 【太宰治】真にカルチベートされた人間になれ【正義と微笑】

 ブログで紹介するみたいなことなら一番目より五番目の方が相応しく思える。ただ、自分の個人的なメモとしては、どの作品で書かれたものかより「太宰治がこんな名文を残している」という感慨の方が重要なので、一番目の方が適当なのである。

 また、「真にカルチベートされた人間になれ」というのは実際に『正義と微笑』の中にある表現そのままだが、この部分が多少要約的になっていてもよい。例えば「【名文】学問は人格をカルチベートする【太宰治】」でもいい。これは私の中にある「スレタイには要旨が書かれているものだ」という前提の助けを借りている。そのまま引用しているかもしれないし、適宜縮めて要約しているかもしれないが、ともかくそのような内容で太宰治が残した名文がある、という意味合いのタイトルになっている。わざわざ「(要旨)」と断らなくても気にならなくなった。

 

 個人的な感覚の話だが(それは全面そうではあるが)、絵文字が単体で文にくっついた状態というのが私は好きでないようだ。例えば、「【💡Scrapbox】ページタイトルはスレタイ方式にする【実践】」というタイトルを例に挙げたが、前は「💡Scrapboxのページタイトルはスレタイ方式にする」と書いていた。これがなんだかとても気に入らない。しかし絵文字が持つニュアンス自体は好きなので、絵文字を使えたらいいという気持ちはある。絵文字の情報量を優先して、ずっと気に入らなさを我慢していた。

 ところが、「【💡】Scrapboxのページタイトルはスレタイ方式にする」と書いたところ、不思議と気に入らなさがなくなった。多分、絵文字部分が本体の一部のようであったのが、隅付き括弧で本体から明確に分離されたというのがその理由だろう。

 最終的に、左の隅付き括弧に分類を示す言葉と合わせて入れることにした。【Scrapbox】だけなら「Scrapboxに関する一般的な知見や仕様」のニュアンスがあり、【💡Scrapbox】なら「Scrapboxを利用するにあたっての自分のアイデア」という意味になり、他には【💭Scrapbox】なら「Scrapboxの使い方として今考えていること」という意味がある。なお【💡】だけなら生活に関わる閃きなどになる。

 

 このスレタイ風タイトルは、名詞・フレーズのページとそうでないページを区別する役割も担っている(後者のみをスレタイ風にしている)。このページはWiki的に使いたいページで、こっちはスレッド的な使い方のページだ、というのがひと目でわかる。私にとってこれは結構重要なことだ。

 両端に隅付き括弧を配置する形式を好ましく感じるかどうかは多分人それぞれだろうし、そもそもページタイトルにそんなに細かくニュアンスを込めたいかというのも個々人でバラバラだろうと思うが、私の場合は自分の微妙な要求に答えてくれる形式をこれに見出して怒涛のようにページを作るようになった。スレタイのあの形を前から面白いと思っていたので、やっていて楽しい。Scrapboxライフは劇的に豊かになった。

 

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