Capacitiesに自分で定義しているオブジェクトタイプの話。今回はセルフマネジメントに関わるオブジェクトタイプについて書いていきます。
セルフマネジメント系のオブジェクトタイプは以下の三つです。
Map
Doing
Project
前回までは「Yearly Note」を除きほとんど静的な情報を管理するためのオブジェクトタイプでしたが、今回は自分の生活を進めていくための動的な情報を扱うオブジェクトタイプとなります。
Map
「Map」は生活や人生、自分自身について俯瞰するページを扱うオブジェクトタイプです。○○リストの類はMapオブジェクトです。
コレクションは以下の3つです。
ライフ・アウトライン
生活のMap
自分を知る
「ライフ・アウトライン」はTak.さん提唱のライフ・アウトラインのページが三つ含まれています。
「生活のMap」はToDoの俯瞰のためのページや買いたいものリストなど、日々何かをするために必要な一覧類が含まれています。
「自分を知る」は何が好きで何が嫌いかや、自分の価値観や願望を掘り下げる自己分析系のページが含まれています。ライフ・アウトラインのページからリンクされています。
昔はこのような○○リストや自己分析系のメモはどうしてかツール変更の度に置いてけぼりにしてしまいやすく、何度も同じ内容のノートを作り直していましたが、この種の情報を「Map」と名付けてまとめたことにより存在感が増して扱いやすくなりました。
Doing
「Doing」は自分がプライベートで行っている行動を扱うオブジェクトタイプです。例えば「本を読む」「絵を描く」「デジタルコンテンツを管理する」といったページを作っています。現時点で31あります。
コレクションは現時点で以下の5つです。
ライフワーク
幸福度を高める
土壌を作る
生活する
デジタルライフ
「ライフワーク」は人生のうちで何か実現したいことがある行動です。「文章を書く」などのページがあります。
「幸福度を高める」は自分の心を豊かにする行動です。趣味の類がこれに含まれます。
「土壌を作る」は勉強やスキルアップの類の行動です。色々とありますがそのまんま「勉強する」というページも作っています。
「生活する」は一般的に生活上発生する類の行動です。「家のことをする」「図書館に行く」などのページがあります。
「デジタルライフ」はパソコンやスマホに関する行動です。「プログラミングでデジタル環境を改善する」「WindowsPCを使う」などのページがあります。
各行動は複数のコレクションに含まれることもあります。例えば「プログラミングでデジタル環境を改善する」は「デジタルライフ」と「幸福度を高める」に含まれています。
自分の生活に存在する動詞をページにしておくことで、「何をどうやるか」の検討やTIPSなどをそれぞれのページに書いていくことができます。今までははたと思いついた時に単発でノートを作るようなことが多く、情報をうまくまとめられないでいましたが、Doingオブジェクトによって集約が簡単になりました。
また、次に説明するProjectオブジェクトとリンクすることでProjectの分類と俯瞰を容易にしています。
Project
「Project」はCapacitiesのテンプレートで作ったオブジェクトタイプで、何か状態を変化させる必要があるアクション全般を扱います。
コレクションは今のところ以下の7つです。
ToThinkAbout
NeedsProcessing
NeedsToContinue
Learning
Conditioning
Someday
Done
日本語の方が意味はわかりやすいですが、ごく一般的な言葉になってしまうとなんとなく分類用の言葉として認識しづらいので、敢えて英語にしています。
最初は「完了するもの」だけを扱っていましたが、「考え続ける必要があるもの」「継続的にやるもの」も扱うことにしました。なのでコレクションがやや多くなっています。
ProjectオブジェクトはプロパティでDoingオブジェクトとリンクしています。基本的にはいずれかのDoingとリンクすることになり、当てはまるDoingがその時点でない場合には適切なDoingオブジェクトが作れないか検討します。
実際の例としてはこんな感じです。
実際にはこの下に色々とメモや検討を書き込んでいます。
完了したプロジェクトにはタイトルに✅と月を記述します。検索で引っかかった時にこれは済んだ話であるとひと目で分かるようにするためです。また、同種のプロジェクトが期間を置いて何度も発生することがありうるので、いつのものなのかを明記しています。
ProjectオブジェクトはDaily Note内で頻繁にリンクが貼られることになります。
箇条書きまたはトグルでアウトラインにすることで、Projectオブジェクトのページのバックリンク欄にいつ何をやったのかが並んでいきます。
MapオブジェクトとDoingオブジェクト、DoingオブジェクトとProjectオブジェクト、ProjectオブジェクトとDaily Noteの間でリンクが多く張り巡らされています。また、結局いつどんなことをやっていたかがわかるようにYearly NoteオブジェクトにProjectオブジェクトのリンクを列挙したりします。
セルフマネジメント系のオブジェクトタイプについてはこんな感じです。カラーは「自分と関係するモノ」類と同じくGreenで統一しています。
自分で定義しているオブジェクトタイプの話は以上になります。
沢山のオブジェクトタイプが並んでいると圧倒されるような気持ちになるかもしれませんが、本人としてはこれらは「分類した」のではなく「自分の中でそもそも分かれている」ものをそのままそれぞれ扱っているだけのことで、複雑なことはありません。逆に③で書いた知識系のオブジェクトタイプのように、自分の中で分かれてないなら全部ひとまとめです。
自分の中で分かれていることをそのまま再現することに失敗すると、有効でないオブジェクトタイプをごちゃごちゃ作って迷走することになるでしょう。現に⑤のWebクリップの話で書いたように私も「なんか違う」をしばしば発生させています。こればかりは自分と対話しながら正解を探っていくしかありません。Capacitiesは子どもの積み木遊びのように大胆に作ったり解体したりして楽しんで使うとよいかと思います。
今回書いたMapオブジェクトやDoingオブジェクトのようなものは、他の人が用意してくれるのを待っていてもおそらく一生叶えてもらえないだろうと思います。そういうものを定義したいと感じる人にとって、Capacitiesは強力な助けになるでしょう。