紙のノートについての自分語りの続きのような話。結論としてはタイトルに書いたことが全て。
何ヶ月か前に、過去のメモ・ノート類の整理をした。上記の記事の時点で「一箇所にまとめる」ということは完了していたので、その上でより納得感のある形にすることを試みていた。
時期によって規格がばらばらなのは過去記事に書いた通りで、ノート的なものをコピー用紙などのペラ紙に書いていることもしばしばある。自分のブームがかなり短期間で移り変わってしまうので、「この年はこの形式」みたいにキリの良い期間で綺麗に分かれるわけでもない。
前はサイズごとに扱っていたので時系列がよくわからなくなっていたのだが、やはりメモ・ノートの整理の大前提として時系列に並んでいる必要があると思う。自分のテーマとしてはっきりしているものはテーマごとでいいが、それにしてもそのテーマ内ではやはり原則として時系列で整理されているべきだろう。
ただし時系列といっても絶対に日時順を厳守するということではない。どの程度順番が厳密であるべきかは内容にもよるだろうが、個人的なノートはとりあえず何年のものかくらいはわかるようにした方がよさそうだと考えた。「2023年の箱」みたいなものにその年の分が入っていて、箱の中の順番はあまり気にしないでおく。
きちんとしたノートに書いているならば箱やブックエンドで区切った空間に立てていくだけで済むのだが、既に書いたようにぺらぺらな紙に書いているパターンもかなりある。穴を開けて綴じたり括ったりしていることもあるが、それもしていないこともある。そのままでは立てておけないので、何かしっかりしたものに入れなくてはならない。
そこで活躍するのが角形2号封筒だ。「山根式袋ファイルシステム」や「押し出しファイリング」でお馴染みのA4大の封筒である。とりあえず年単位の封筒を用意し、全部突っ込んでいく。小さいメモはクリアホルダーに挟むなどして、そのクリアホルダーごと封筒に入れる。クリアファイル(40Pなどのもの)に入れているような紙も、そのファイルが現在アクティブでないなら全部ファイルから出して封筒へ移動した。
ノートも薄いものは一緒に封筒に入れた。丈夫な紙でできているので結構な容量になっても耐えられる。
こうすることで、それなりの量の紙で膨らんだ角2封筒と、封筒には入れられないくらいのしっかりしたノート類とにメモ・ノート類がまとめられたことになる。見た目としてはかなりすっきりした。
この一連で何が行われたことになるのかというと、メモ・ノートの管理上適当でない形式的な規格化から、体感として納得し得る規格化に変更したということだ。サイズ基準の整頓にはあまり意味がないにしても、明らかに小さいものと明らかに大きいものを一緒に扱うのはなかなか面倒である。角2封筒はそれを強引に成立させている。
全部ただ突っ込んでいるので封筒の中は綺麗ではない*1。しかし個人的なノートに関して言えば、実際取り出す時は「2018年頃って何考えてたんだっけな」みたいな流れで探すことになっているので、なんでもいいからとにかく一箇所にあればそれで事足りる。
例えば「ノートの使い方に関する自分の思索の変遷」みたいなことを辿るとすれば、それ用のノートを作っていたのでない限りは、年単位でごちゃごちゃと入っている中から漁って確認することになり、如何にも効率が悪い。が、年単位でごちゃごちゃと入っている中を漁るということは、実のところ事前に想像するよりは簡単に済む作業でもある。それ以上の効率は必要なのかどうか。
もちろん仕事の資料や事務的な書類はきちんと整理しておかないとまずいが、そういったものは大抵整理の基準が明確なので(時間さえ取れれば)簡単である。一方、個人的なノートは自分の関心の分だけ記述に種類があるので、整理しようと思うと何をどこまでどのようにやるか決めるのに苦労する。ルールを設けると維持するのは楽ではない。その上、おそらく几帳面に整理してもそれに労力を使った甲斐はそれほどないだろうと思う。
なので、もうまとめて角2封筒に突っ込んでしまい、見返したい時は封筒を逆さにして全部ガサッと机の上に出す。整理したい気分になったらその都度整理する。整理されていないと成り立たないような保管方法は維持が大変なので、整理してもしなくても大勢に影響がないのは重要である。整理を必須にすると、その条件をクリアするために形式的に整頓だけして自分の必要には沿っていない、ということが起こり得るのだ。
このずぼら極まる保管方法は非常に楽だが、封筒に入れてしまうと「さっと取り出してぱらぱら見る」みたいなことは難しくなるので、十分に時間が経ってアクティブでなくなったものをまとめるようにしている。また、繰り返し参照するようなものは必要に応じて別途参照用のノートに書き出しておく。要はアーカイブ扱いのものを封筒に入れているということだ。
様々な形式で書いたものが封筒というひとつの入れ物にまとめて収納されている状態は、私にとっては思いのほか気分が良かった。こんなにもめちゃくちゃにノートを書いてきたのにそれが全部ひとまとめになっている、ということになぜだか感動を覚えた。きちんとバインダーに綴じたりノートに紙片を貼ったりして集約するよりむしろ「ひとまとめになっている」感があるのだが、多分そうやって変形したりせずに元の形のままであることを許容しているからだろうと思う。(そう感じるのは私だけかもしれない。)
理想を言えば、デジタルで書いたものも全部紙に印刷してこの封筒にまとめられたら安心できるのだが、それはさすがに現実的ではないだろう。角2封筒の役割を果たすデジタルツールがあればいい気はするものの、現状イメージに合うツールはない。年単位で括ることはできても、「逆さにして全部ガサッと出す」的な操作が既存ツールでは難しい。ファイル名やページ名が並んだリストはちょっと違う。
VR空間を使わない限りはデジタルではそもそも無理な気もするし、「こういうのがあったらいいのに」と思ってもそれをいざ実現してみると「思ってたんと違った」ということになる可能性はかなり高い。理想のデジタルツールを求めるよりかは全部紙に印刷してしまう方がいくらか現実的かもしれない。
デジタルの話はまあいいとしよう。角2封筒を使い、ピシッとした整理を諦めて雑にまとめてみたことにより、逆に読み返しが気分的に楽になったのが面白いところで、やってみなくちゃわからない種の現象だなと感じている。
*1: クリアホルダーを駆使するなどすればある程度綺麗にすることは可能である。私は敢えてやらないでいる。