Noratetsu Lab

動じないために。

ライフ・アウトライン日記: Notionに引っ越し

 これまでライフ・アウトライン(=マイライフ・アウトラインはDynalistにやっていた(一時Capacitiesに移転したがその後戻した)が、場をNotionに移すことにした。

Notionに移った理由

 理由としては、まず昔にノートを使って同様のことをやっていた時、紙面を活かして表や配置を使って整理していて、その感覚を取り戻したいと思ったからだ。
 平面を扱うということの意味は過去にも何度か触れているし、そのために面のアウトライナーなるものを自分用に開発したりもした。私にとって面を使うことはとても重要なことだ。普通のアウトライナーには面の発想がない。
 また、ライフ・アウトラインとして含めたい要素というのは色々あるのだが、それらは必ずしも芋づる的に整理することができない。直接関連のないもの(関連付けようとするとこじつけになってしまうもの)を並列して扱うにあたり、私としては如何にも並列っぽい感じにレイアウトできるツールがよく、その意味でNotionは都合が良い。
 そしてNotionは見た目に楽しいというのも大きな理由になっている。Notionというとデータベースが作りやすいことからデータベースを扱うツールとして言及しがちだが、そういう機能とは別に、文書として整形するための修飾が豊富、レイアウトが概ね自由、コールアウトやカラーなどで思い思いのアクセントをつけられる、といったことがデジタルノートとして非常に優秀で、紙のノート作りの感覚に近しいものがある。それらの仕組みが視覚的に洗練されているのがNotionの素晴らしいところだ。

Notionとの付き合い方の紆余曲折

 そんなわけでNotionは自分の要求に応えてくれる素敵なアプリケーションなのだが、しかし今までNotionをライフ・アウトライン的領域の拠点として活用することはできなかった。以前に試みたことはある。
 一般的に、紙のノートや手帳の活用には苦労するものだと思う。ただ紙の束がまとめられているだけのものだが、それを多くの人が「うまく使いこなしたい」と思い、しかしどうしたらいいのかわからないまま迷走してしまう。何を書くのも自由で、アタリもハズレもなく、書いてみた結果がいいのか悪いのかを教えてもらえることもない。自分が納得できる形に辿り着くのは難しいということだけがなんとなく身に沁みる。既にそれを見出しているらしい他の人々が輝いて見える。
 それと同じことがNotionでも起きてしまう。Notionは大体なんでもできて、Notionについて調べれば沢山の人が自由に華麗に美しく使いこなしているように思われる。しかしそれらをただ真似しても「思ってたんと違った」になる。自分なりの何かが必要らしいことはわかるが、それがどういう形をしているのか誰も教えてくれない。私の経験からすると、Notionを使っていればそれが自然と見えてくるというわけでもないようだ。

自分の世界観に忠実になる

 結局のところ、Notionではないものでの試行錯誤が私には必要だったということだろう。そして最終的に、「前に紙でやっていたことをある程度再現できる場として考えたらいいんじゃないか」という発想に行き着いて、かつ、Dynalistで練っていたものを紙面のように縦横に配置していくと自分に馴染む形になるんじゃないかと思い至った。アウトライナーは思索をするにあたって非常に便利だが、アウトラインの形自体は私にとってはそれほどプラスに働かない。のらてつワールドの外から来た舶来品という感覚がある。よって元々の自分の感覚に合う形式をゴールにする必要があった。
 普段自分でも忘れがちだが、私のデジタルノートの原点というのは子どもの頃に触れたMicrosoft WordおよびExcelにある。そのことは前にも書いたOffice日誌:思想を自分の手に取り戻そう。これらが自分にとって良かったのは、パソコンで操作するものでありながら紙面の感覚そのままに扱えたからだ。そのことが世の中では「デジタルデータなのに紙の感覚から抜けられない」という弊害を生じているが、私は「デジタルの理解が難しいから紙のメタファーにしがみついている」というのではなく、デジタルデータのデジタルデータ的扱いを身につけてもなお、自分のフィールドを具現化すれば紙面の形をしていると感じている。その感覚はプログラミングの勉強をしてかえって強まったようにすら思う。
 今WordやExcelを個人用のデジタルノートとして使うのはあまり現実的ではないように思うし、ただ紙のようにレイアウトできるだけでなくデータをAPIを使うなどして自由に取得・編集できるようであってほしい。そうでなくてはそれこそデジタルでやる意味があまりない。現状、その両方を備えるアプリケーションがNotionだと認識している。

魂を引き継ぐ

 ということで元々のメソッドが想定しているプロセス型アウトライナーであるところのDynalistからNotionに移り、いわゆるアウトラインの形からは少し離れたのだが、しかし「それまでと違うことをやる」わけではない。基本的には発想は同じである。
 注意していることは、いきなりページを作らない、いきなりデータベースを作らないということだ。外側から決めようとすると形ばかりのものになってしまうおそれがある。
 ホームとなるページがまずあって、とりあえずそのページの下の方に普通のテキストブロックで何かしら書く。テーマっぽいものが決まっていればトグルくらいは作る。そうして書いていって、いよいよページにした方がいいとなればページにする。しかしページ化がゴールというわけではない。ホームのページ内にトグルで畳んだだけの項目が現時点でいろいろあって、それは今後もそのままかもしれない。
 トグル項目がいくつかできてそれを眺めていると、それまで直接結びつきを意識していなかったものが実は同じ領域について考えているものなのではと気づいたりする。つい形式で分けて個別に扱おうとしていたものが、実は他の項目の下に入ったほうがいいような気がしてきたりもする。当初の括りより抽象度を上げたくなったり具体的に考えたくなったりもする。そうなったらトグル項目をアウトライナーでやるようにちょこちょこ組み替える。そのように自分の中で整理が進んでいった時に、ふと「ここからここまでを扱うページがあったらいい!」と確信が生まれページが作られる。ページ化は模索を進めていった先でようやく至るものというイメージだ。

 結局こんなふうにしてるんですよ、ということを見せたら話は早いとは思うが、ちょっと個人的過ぎるし見せたいという気持ちがあまりないので(わざわざ例のためのものを別に作る気も起こらない)、ここでは紹介しないでおく。
 今後本格的に書くような機会があればその時に。
 ちなみに各ページは設定で「フォントを縮小」「左右の余白を縮小」にチェックを入れて一度に視界に入れられる情報量を多くしている。これが重要。

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