Noratetsu Lab

動じないために。

2025/05/17

文と文章とレトリック

ここのところ、年がかなり上と思われる人たち(作家ではない)の文章を立て続けに読んだ。

そこで思ったのだけど、これは自分の親もそうなのだが、一文一文は丁寧できちんとした言葉遣いであるものの、文と文の間の繋がりが曖昧で日記のようにぶつ切りの記述が続いているというパターンが少なくない。

生きた年数分だけ言葉自体は豊かになっているが、レトリックを用いるという発想がないままなのだと思う。そして言葉が丁寧であるがゆえに意味の強弱が感じられず、本人にとってどこが肝心なのか読み手にわからない。

もしかしたら実際にどこが肝心なのか曖昧なまま書いているのかもしれない。関連するものがいろいろあり、それらをくっつけた全体に意味を見出していることも考えられる。世界を構成するものをひとつひとつ描写しているようなものだ。

しかしそれを楽しんで読めるほどには一文一文が濃い意味を持ってはいない。やはり思うままに漫然と書くより、何かを「利かせる」ことを狙って書いた方が書いた意義があるものになるだろう。

2025/05/16

Capacitiesの新エクスポートのバグ

Capacitiesは今月10日のアップデートでエクスポート機能を刷新した。

以前はエクスポートを依頼してしばらく経つとメールでダウンロードリンクが送られてくる形だったが、今回のアップデートにより直接ダウンロードできるようになった。

また、デスクトップアプリ版だと無料ユーザーでも定期的な自動バックアップができるようになった。それはとても良い話。

一方で、現時点ではとてつもないバグがある。ファイル名の扱いが変わったようでASCII文字以外の文字がファイル名に全く反映されない。例えば「第1回○○会議」というタイトルだったとすれば「1.md」になる。複数あると「1.md (1)」「1.md (2)」というふうになる。そしてASCII文字を一文字も含まないファイル名の場合はエクスポート自体されない。

これは日本語だけの問題ではなく、ヨーロッパの文字も例外ではない。ドイツの開発チームだがドイツ語のウムラウト付き文字なども無視される。

これについてキリル文字ユーザーの人がバグ報告しているので、投票すると確実に届くだろう。

Export Issues: Cyrillic names ignored, broken filenames and metadata inconsistencies

 

たまたま大規模な整理をしてエクスポートしておきたいタイミングでこれに直面したのでかなり萎えた。ただでさえこちらの愛とは裏腹に向こうの対応は冷ややかでもやもやしているのに。

https://capacities.io/feedback/p/japanese-support

ちなみにこれを見る限り日本語サポートへの道程は長そう。まあ、こっちが勝手に西洋製アプリケーションを見つけて使っているだけのことだし、お前らのために作ってねーんだわと言われたらそれまで。

全文検索がCJKで効かなかった問題が解決したのも、多分全然対応するつもりはなくてシステム変えたらたまたま直っただけのことだと思うので、その点でCapacitiesに対して信用というものはあまりない。

2025/05/15

茶の間記事は夜には書けない

ある時から茶の間記事の更新が難しくなり、ネタだけが溜まっていく状態になっているのだが(つまりネタ切れではない)、更新に取りかかれない根本原因がよくわかっていなかった。なぜ前はすいすい1記事/1日のペースで書けていたのかが今となってはわからないという感じでいた。

とりあえず「茶の間記事を更新する」ということ自体を忘れていることが多かったので、CapacitiesのDaily Noteのテンプレートに「茶の間へGO」と書いておくことにした。確かに思い出せるようになった。

思い出せるようにはなったが、しかし更新できなかった。この「茶の間へGO」は、「夜やること」の欄に書いていた。茶の間記事は書いても書かなくてもいいものなので、一日の終りに余力があったらやることにしようという位置づけにしていたからだ。

で、夜に「茶の間へGO」という文言を見て、「さあ書くぞ」とはならなかった。そんなに疲れていなくとも、なんだかすごく無理な感じがした。「その種の文は書けない」と感じた。

他の文なら書けるが、その種の文は書けない。「その種」とはなんなのか。茶の間に書いているのは、自分が面白いと思ったもの、自分の思い出になっているものである。それぞれはなんということのない、しょうもない感じの文だし、いつでもさらっと書けそうな感じがする。しかし、自分の感性を言葉にするということは、思いのほか大変なことで、限られたタイミングでしかできないようだ。

自分の感性に基づいて何かを表現するというのは、できる時には何の苦労もないかのようにできる。自分の頭の中に浮かんだイメージをただ描写すればいいからだ。しかしできない時には全くできない。描写するべきイメージが浮かんできてくれないのだ。

ではその「限られたタイミング」というのはいつか。単純に言うと朝だ。最近よく言われる言い回しで言えば「認知資源」が十分にある時ということになるが、認知資源とはおそらく違う種類のエネルギーの問題である。認知資源の減りよりもこのエネルギーの減りは急速で、まだ頭を使う余裕があっても自分の感性の話をする力は残っていないということになる。

そんなわけで、なるべく朝に時間を取って茶の間記事を書き、一日の勢いをつける取っ掛かりにしたいと思う。

2025/04/25

自作ツール・旧サイトのサンプルを整備

トップの「玄関」ページに昔作ったツールやサイトのサンプルへのリンクを貼りました。

パッと見では正しく動いてそうだけどちゃんと動作確認はしていない。

今となっては初心者も初心者の頃に作ったものたちなのでかなり心もとない感じだけど思い出として置いておくことにした。

自作ツールはもうちょっとまともなのが他にもいくつもあるので、それも公開できたらいいとは思うものの、なかなか手が回らないでいる。

2025/04/24

例の猫ではない猫

ここ数年家の周りによく来る猫がいたので、Capacitiesのデイリーノートに「[[例の猫]]が来た」という感じでタグリンクをつけて書いていたのだが、最近は違う猫が何種類か来て、「[[例の猫]]ではないサバトラ猫が来た」みたいに書いている。

春になって最初に見た「例の猫」らしき猫は、似ていたけどちょっと柄が違った気がして、もしかしたら娘とかかもしれない。去年「例の猫」は少なくとも二匹の仔猫を連れ歩いていた。

もう「例の猫」は来ないのかもしれないけど、多分「[[例の猫]]ではない猫」と書き続ける気がする。

2025/04/21

Dynalistの通信量問題

ここ最近頭を悩ませていた問題。PC・Androidアプリともに通信量が目立って増えていて、大容量の通信をしている自覚がなかったので原因を突き止めるのに時間がかかった。

DynalistのAndroidアプリがあからさまに多過ぎる通信をしていて、アウトライナーでそれはないだろうと思っておそらく原因はDynalistだというところまではわかったのだが、それ以上を詰める知恵がなくてしばらく悩んでいた。Androidアプリは動作も重いし、全体のノード数が明らかに多かったのでそれはとりあえず一因だろうと思ったのだが、それを解消してもまだ通信が多いので不思議に思っていた。

で、ふとPCのブラウザのデベロッパーツールでネットワークタブを見たらいいんじゃんと気がつき(どうして最初から思い至らなかったのか)、チェックしたところ、ロードした時点で大量の画像ファイルを一気に読み込んでいることがわかった。PCとAndroidアプリの両方で通信量が増えていた理由がこれで判明した。

更に、ブラウザの方では自作のChrome拡張機能のsetInterval処理の一部が、重複しないように設定していたものの予想以上に通信していたので余計に通信量が嵩んでいた。

 

setInterval処理の方は設計が良くなかったというだけなので対処できる問題だが、画像読み込みについてはDynalist側の問題なので多分どうしようもない。

画像をGyazoにアップロードしてそのリンクをDynalistに貼って画像を管理するということをやっていたので、それがまずいとなると別の方法を考えなくてはならない。

起きていた問題の原因は明らかになったが、まだ頭を悩ませている。

2025/03/21

営業妨害

営業妨害という言葉がある。

真面目な文脈では、実際に相手の営業を妨げて損失を与えるような場合に言われる。

人気商売の人々の戯れでは、ワルっぽいキャラで売っている人について「本当はいい子」「実はすごく真面目」みたいな人間性の良さを暴露することを、冗談めかして「営業妨害だ!」と言うことがしばしばある。

基本的に「商売」の文脈で使われる言葉だから、書き物の世界ではあまり聞かない言葉のように思う。営業というのは一応営利目的の事業や売り込みのことだから、商業作家以外の書き物を営業と言うのは馴染まないということはある。しかし最終的にいくらかの利益を得ることに繋がるかもしれないなら書き物も広義の営業と言って良い気がする。そしてそれを邪魔する行為は巷に溢れている。この場合は本当に妨げる方の営業妨害。

誤解した状態で論じることで、元の文を書いた人が恰もそういう文を書いたかのように見せかける、というのは、意図的であれ意図しないものであれ営業妨害だろう。元の文章を読みに行かないで難癖だけ読んで鵜呑みにする人もいるし、読みに行ったとしても「この文はおかしいらしい」という前提を持っていれば伝わるものも伝わらない。

これは「ネガティブな評価は営業妨害である」という話ではない。批判はあって然るべき。でも曲解を吹聴するのは批判とは言えない。建設的な理由が何も無くただ印象を悪くするようなことは単なる営業妨害でしかないように思う。

2025/02/18

Noratetsu's Roomのリサイクル計画

2021年から2022年あたりはCosense(Scrapbox)の公開プロジェクトをサイト代わりにしていた。

今読み返してもいろいろ面白いことを書いていると思う。しかしもうこのプロジェクトを更新する気はないし、このままにしても何も生まれない。何かしらの流れの中に過去のノートを組み込みたいけどどうするのがいいか…。

 

Noratetsu's Roomの気に入らないところは、ネットワーク型に全然向いていない記述が入っていたり、誰に向けて言いたいのかも曖昧だったり、とにかく雑然としているところ。自分の性格に合っていない運用をしてしまった。Scrapboxの懐の深さに甘えてカオスを作り出したことに反省がある。

今何かを公開するとしたら以下のいずれかになる。

  • Noratetsu Houseの記事

  • Noratetsu Houseの茶の間

  • Noratetsu Houseの雑記帳

  • note

  • トンネルChannel

  • Bluesky

軽い記述は茶の間あるいは雑記帳がいいだろう。一部は実際に雑記帳に移した。

そもそも記事として書くには足りないところがあるからScrapboxの曖昧なアウトラインで終わらせていた感があるので、Noratetsu Houseの記事にするのはあまり現実的じゃないかもしれない。

一方で同じ「記事」でもnoteならいけそうな感じがある。読む層が違うから。ライトに書くという選択肢がある。自分のサイトの記事を1000字で終わらすのはものすごく消化不良感があるが、noteだと逆に5000字とか書くと多すぎる。

とりあえずScrapboxのままだと扱いづらいので、機械的にOPMLにしてDynalistに取り込んでしまおう。

2025/02/15

NHK短歌とヒコロヒー

NHKのEテレで「NHK短歌」という番組が放送されている。

この番組の司会の一人がヒコロヒーで、静かに淡々と進みつつ時折的を射たようなコメントがスッと出てくるのを面白く見ている。

あと普段目が取り澄ましたような雰囲気なのが、時々ぱっと目を開いた時にすごく輝いた感じになるのが好き。CMで看護師を演じている時にも思った。

2025/02/12

腹筋は歯磨き中に鍛える

歯磨きをしている時間を何かに活かせないかなあと前から思っていた。

できればトレーニングになるものがいい。しかし歯磨きは歯磨きである程度意識を向ける必要があるし、動きのあるものは歯磨きの方が疎かになる上バランスを崩す可能性があると危険だ。そう思いながらヒールレイズとかスクワットとかをちょこちょこやっているけれど、もっと適当なものがあったらその方がいい。

この間たまたま、著名なトレーナーのAYAさんがテレビに出ているのを見かけ、そこでドローインの話をしていた。ドローインについてはかなり前から知ってはいたのだが、例によってやるタイミングを固定できず大概忘れていた。あと前にミュージシャンのROLLYが、四六時中お腹を凹ませて細身の肉体を維持しているという話をしていた。

ということで、歯磨き中に何かトレーニングしたい+ドローインというトレーニングがある+四六時中やることで鍛えている人がいる、という三つをたまたま同時に思い浮かべた。そうした時、「歯を磨いている間ずっとドローインしていればいい」という解答が出た。動かずに済むので危なくないし、歯磨きも一日に複数回あるから「隙あらばやるべし」系のトレーニングの習慣化には丁度いい。

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