Noratetsu Lab

動じないために。

投稿先: https://tunnellingchannel.substack.com/p/aff

苦手要素への対処自体をプロジェクト化しない/ライフ・アウトラインの拡張

先日の問いかけに早速お答えいただきありがとうございます。重要な気づきを得られたと思います。

苦手なことはどこに整理したらいい?

このこと、つまり自分のネガティブ要素(≒欠点)とその対応の検討場所について二つのことを考えました。

 

ライフ・アウトラインの拡張

まず一つ目は、投稿してすぐに皆さんのご回答を待たず自分で思いついたことですが、「ライフ・アウトラインを拡張して対応する」ということです。

Tak.さんのライフ・アウトラインでは、自分自身について思い巡らす領域として「LIFE-BE」と「LIFE-AS」の二つが提案されています。それぞれ「自分」と「関係」に焦点を当て思いや気づきを書き出しシェイクしていくものです。

これらはどちらも、自分の欲望(≒欲求や願望)を見出し整理していくことで自分の人生と生活の手綱を握り、日々のやることの選択を自分にとって適切なものにする役割を果たしています。

私が悩んでしまったのは、欠点への対処というのが、広い意味では「それをどうにかしたい」という願望ではあっても、やはりネガティブ要素の扱いとなると自分の欲望としては扱いにくいというところにありました。つまり、「LIFE-BE」でも「LIFE-AS」でもない領域にあるような感じがしたわけです。また、「この時にはこうする」を考えるものであるという意味で「DO」の仲間であるような気もしつつ、しかし「この時には」という条件によって発動するものを「DO」としては扱い難いという問題がありました。

そう思ってちょっと考えて、はたと思いつきました。じゃあ領域を作ってしまえばいいじゃないかと。

 

そうして新設したのが、謂わば「LIFE-IS」といったイメージのアウトラインです。(私自身は別の名前をつけて呼んでいますが、その話はここでは割愛します。)

一言で言うと、欠点を含めた「自分のライフに制約をもたらしている事物」を扱う場所です。自分の意志ではどうにもならない事実ということで「IS」としました。(英語的に的確かはわかりません。とりあえずのイメージです。)

欠点への対処というのは「直す」であるとは限りません。というか、直らないので欠点なわけです。直らないけれども、そのままにしておくと支障をきたすので、何らかの対応を取る必要に迫られることになります。つまり「動かない事実」に対して策を講じるということです。

「自分のライフに制約をもたらしている事物」は他にもあります。例えば持病、生活環境、経済状況、居住地の立地の問題などです。人間関係については、関係自体を変更することができない相手(基本的には家族)に限ってここで扱うとスッキリするかもしれません。

なお自分のライフの選択肢を狭めるという意味で「制約をもたらしている」としていますが、気分的にネガティブなものとは限りません。ポジティブに感じることはあまりないかもしれませんが、多くは単なる事実であり感情的には正も負もないようなものです。

その中に、「しゃーない事実」として自分のネガティブ要素を配置して考えることで、納得感のある場所を与えるとともに、「苦手要素と向き合う」的な後ろ向きなマインドからの脱却を試みています。

 

苦手要素への対処自体をプロジェクト化しない

もう一つ考えたのが、こういうネガティブ要素があるからそれに対処する、ということ自体をプロジェクト的に扱わないことです。

苦手やネガティブには正面から向かい合わない - by tks - トンネルChannel

苦手なことを直すという発想で、以前はメインで使うツールの一番目立つところに書いていた気はしますが、全然達成されないというか、現実離れしているというか、書いたところで無理だろうということで自然と書かなくなりました。

tksさんのご回答では極めて現実的な問題が指摘されています。欠点はそもそも直らないということは前項でも触れましたが、それはつまり、「達成しようがない」ものです。達成しないものなので、「すること」を扱う領域に組み込むと永久に未達のまま居残ることになります。「直す」ではない対処をするにしても、動詞の種類としては「気をつけ続ける」ということになり、それはやはり達成とは無縁のものです。

苦手なことはスルー - by 倉下忠憲@rashita2 - トンネルChannel

もちろん、作業でミスをしたら次回は確認を強化するようにリマインダーを設定する、といったことはやります。つまり、ネガティブな結果(つまり、失敗や不達成)にケアすることはしても、自分が持つネガティブな要素には──こういってよけば──特に注意を向けようとしていない感じで生きているのでしょう。

倉下さんのご回答に重要なヒントがあります。もちろん自分の負の傾向には注意を向けなければならないわけですが、それを「何の子項目として扱うか」が大事です。

自分の欠点への対処というのは意識しないと忘れがちなので四六時中目につくところに貼り出したいといった発想が生まれるわけですが、実際には何かしらの具体的なアクションをするにあたって自分の行動を選択する時に考える必要が生じることだと思います。

例えばリマインダーを忘れて締切を守れなかったということがあった場合には、「○○を提出する」というプロジェクトが前提として存在しています。「締切を覚えていられない」という自分の傾向を一般化して扱うのではなく、「○○を提出する」というプロジェクトの一連のアクションを検討する際に「これはこうしよう」と判断できればいいはずです。で、それがうまくいけば次のプロジェクトでも「前回のプロジェクトでのアクションを継続する」という形で引き継いでいけばいいということになります。うまくいかなければ「前回のプロジェクトでこうだったので次は別のアクションを取る」ということになります。「自分の傾向」ではなく「前回のプロジェクトの結果」を考えれば物事が進んでいく形になります。

所謂PDCAサイクルということになろうかと思いますが、自分の傾向という個人的問題についても変に特別に考えようとせずそのように淡々とやっていくことで生活は回っていくだろうと思いました。実際、強い無能感に悩まされるような要素でなければ、既に自然とそうなっています。

 

一方で、淡々とやるために必須であろうことがあります。それは検証されるべき情報を適切に記録していくということです。

感情的になると記録が難しくなり、その結果「自分の傾向」に対して別の機会をわざわざ用意して焦点を当て直す必要に迫られることにもなります。精神的ショックや劣等感が記録を難しくさせると感じますが、ショックの方はやむを得ないとして、劣等感については事実に余計な解釈をまとわせることで生まれるものであって、事実を事実としてのみ扱うことを心がければ解消があり得ます。

そして、そのためのガイドとしてライフ・アウトラインに新設した領域を使えばいいだろう、というのが現時点で思いついた解決策となります。

 

ご回答ありがとうございました。今回触れませんでしたが、お話の中にあったネガティブ感情の消化方法についても興味深く思っています。

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