Noratetsu Lab

動じないために。

2024年1月

2024/02/01

じゆうちょうノート術(仮)④読書ノート

 前回までの記事はこちら。


 無地のノートの四辺に印をつけて16分割できるようにする、ということを前回書きました。
 これは「じゆうちょう」ですから好きなところを好きなように区切ればいいわけで、この印に従って線を引かねばならぬというものではありません。でもガイドがあるとカオスになりすぎないという利点はあります。
 私の個人的な性質として、ガイドにできるものが多いと(例えば方眼罫)、それを活かそうとしすぎてしまうということがあるので、あくまで無地のノートにこだわっています。一方で、そのように「ガイドがあればなるべく従いたい」と思う程度に秩序好きな面があるということでもあります。間を取って、やろうと思えば4列×4行をぴしっと作れる、というゆるめのガイドを活用しています。

 さて補足はこの辺にして、じゃあ具体的にどうしているか。今回は読書ノートの取り方を書いてみます。
 例えばコマ割りはこのような感じ。(一度手書きで書きましたが字が汚かったので打ち直しました。)

画像

 左上の1マスに本の情報を記入します(2マス分以上使ってももちろん構いません)。あとは書き抜きやメモの量に合わせて必要なマスを作って書きます。線で区切っていると、隣あった内容の間に繋がりが全然なくてもあまり気になりません。
 引用は長くなりがちなので横長2マス分になることが多いですが、単語のメモなどは1マス分あれば足りるので、そのような知識系のメモが多いタイプの本ほどマスは細かく分割されています。

 もうひとつ実例を貼っておきます。

画像

 左ページは書き抜きごとに線で区切っていますが、右ページは「知的生産の定義」に関わる部分をゆるくまとめたものという感じで、どこも区切らずに書いています。細かいマスだらけにしてもいいし大きく1ページで書いてもいいのです。大事なのは気分です。
 区切って書くと各マスにゆとりが生まれるので、ページあたりの記述量は減ることが多いです。逆に、区切ることで隣との隙間なくみっちり書き込んでも気になりにくい面もあるので、むしろ増やすことも可能ではあります。マスというものの解釈次第でノートの雰囲気は変わるでしょう。
 罫線のない無地であることで、マスの中の密度は全く自由に決められます。大きい字で何文字かだけ書いたマスの隣が極小の文字で埋め尽くされていても問題は何もありません。
 各マスに余裕があると、そこに自分の感想や考えを書き込みやすくなります。埋めないともったいないような感じもしてきて「この引用部分にコメントを付けるなら何か」と考えたりもします。後で加筆できるようにと漠然と余白を取るとその空間の必然性のなさが気になってしまうのですが、このようにガイドに合わせて区切ると「この謎の空間が気になる!」ということにはなりません。

 ちなみに、見開き単位でノートを作ればいいので、ある本についての読書ノートを最初から最後まで全部続けて書こうとする必要は全然ありません。他の本についてのノートが挟まってもいいし、読書ノートではないものが間にあっても構いません。続きは何番にあるのか、何番からの続きなのか、を書いておけばいいのです。
 考えてみると、巻物のように全部広げて見られるならともかく、ノートはどう頑張っても見開き単位でしか見られないわけですから、続きの内容がすぐ次に書いてあろうが離れて書いてあろうが割とどうでもいいことですよね。
 

2024/02/01

筆記具

ちょっと前まで油性ボールペンを使っていたけれど、今はもう極細水性ペン(プロッキーなどの細い側)一択になっている。さらさらっと書けるのが良い。
あと「あかあおえんぴつ」をよく使っている。小学校の時に親が用意してくれたものがまだ思いきり余っている。特にあお(紺)の方は尖らせて筆記に使っている。あか(朱)はマーキングの方が多い。黄色の色鉛筆もよく使う。
鉛筆はインクやペン先の具合を気にしなくていいのが楽でいい。残量は明らかだし、手入れと言えば「芯を折らない」「時々削る」だけで済む。
難点はインクのようには筆跡がはっきりしないことと太さが安定しないこと。楽だが「やっぱりペンの方が…」という気持ちを度々抱くのは免れない。

2024/01/31

今月の振り返り(2024年1月)

 今年は月ごとに振り返り記事を書こうかなと思う。書くというか作るというか。

2024/01/31

「憮然」と「気色ばむ」

今現在「憮然(ぶぜん)」は「むっとした様子」という意味で使われがちだが、本来「憮」は「心を無くす」と書くように「むなしい」「失望する」という意味合いの字。よって「憮然」は「失望・落胆してどうすることもできないでいるさま」ということになる。
憮然(ぶぜん)とは? 意味や使い方 - コトバンク

続きを読む それなのに「憮然」がしつこく使われるのは、「ぶぜん」という音のイメージが本来の意味と合っていないことと、「むっとした様子」を表す言葉が他に思いつかないことによるのだろう。 日本国語大辞典の用例として松本清張の一文が挙げられているが、松本清張がそのように使っていたということであれば、誤用がこうまで浸透したのも尤もなことだ。

私も「むっとした様子」をずばっと表す言葉になかなか思い至らなかったが、「気色ばむ」という言葉があることを思い出した(たまたま見かけて)
気色ばむ(けしきばむ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
しかしこっちはこっちで全然「むっとしている」感が想起されない。「けしきばむ」という音や「気色」という字面から何を思い浮かべればいいのかが自明ではない感じがする。そもそも「何かしらの顔色が現れる」的な意味しか示していない言葉だろうし、慣習として意味が狭められているとしても、見た目には怒りや面白くない感じに限定する必然性がない。「色を作す(なす)」も同様だ。

「憮然」については誤用と分かっていて使うのもなんだか嫌なので、辞書が揃って「転じて、~~」などと書くようになるまでは「むっとする」という意味では使わないつもりでいるものの、もはや本来の意味を表そうとして用いてもおそらく通じない。
早いうちに後世まで通じるうまい言葉を作れなかったせいで、後々に他の言葉が意味を乗っ取られアイデンティティを剥奪されている。
言葉は変わり続けるもので仕方のないことだが、その渦中にある言葉を見るとなんだか遣る瀬無いような気持ちになる。一方で私たちは「とうに乗っ取られた言葉」をしばしばさも伝統があるかのように使っている。それが全く「正しい日本語」でなかった時期があることを知りもしない。よって、言葉の軽々しい移り変わりを嘆いてみたところで、昔の人から言わせれば笑止千万もいいところだろう。

2024/01/30

理想のタスク管理ツール

理想のタスク管理ツールは何か、私も想像を膨らませてみました。


自分が欲しい要素をまず列挙してみます。

  • マルチデバイス
  • シンプルモードと全体俯瞰モードの(少なくとも)二つのビュー
  • 各タスクには自由かつ簡単にメタデータを付けられる
  • タスクの目的や経緯を記すメモ欄がある

マルチデバイス

まずマルチデバイスなものが良いです。スマートフォンアプリでどこでも見られて情報を更新でき、かつパソコンの広い画面で俯瞰できるのが重要です。

二つのビュー

表示はシンプルモードと全体俯瞰モードがあると良いです。タスクを実行する時とタスクを管理する時とでは必要な情報が全然違っているからです。
いつでも全体を確認できるようでないとなんとなく不安なので、スマホからでも全体を見られると良いです。ただしスマホから編集できる必要はなく、お店アプリでチラシを見るのと同じ感じで画像として見られれば良いと思います。
逆に常に全体が見えてしまうと今何をしたらいいのかに集中できないので、実際に行動している間はごくシンプルなビューがあると良いです。一週間分くらい縦に並んでいて明日以降の具合も見ながら動けると良いです。また、その日その日がどういう日なのかを書いておける欄も欲しいです。そこに他の関係者の状態や注意事項などの情報を書き込んでおきます。
イメージとしてはこんな感じです。

画像

これそのままだと翌日以降も視界に入ってしまって今日に集中できないので、日と日の間は広く余白を取った方がいいかもしれません。

全体俯瞰ビューについては前に考えたことがあります。

画像

画像

このツールは今は使っていないのですが(プログラミング能力の不足により)、このビューは今考え直してみてもおおよそのところはこれでいいような感じがします。
トピック(=プロジェクト+自分の願望)と具体的なToDoを「面」で一望できるのが重要です。

メタデータの入力

全体俯瞰ビューでいい感じにタスクが並ぶように、各タスクにはメタデータを色々付けられるようになっていて欲しいです。しかし複雑そうに見えないのが理想です。
入力欄の設計は難問です。メタデータが複雑になると入力欄も複雑になってしまいます。チェックボックスにしろリスト選択にしろ、ひとつひとつは簡単に選択できてもそれがいくつもあると嫌になってしまうでしょう。
タスク管理アプリが続いたためしがありませんが、それも入力欄の見た目の問題が少なからずあったように思います。しかしタイトルしか入力できないのではそれもそれで困るのです。わがままな話です。
今思うのは、もしかするとアウトライナーが良いのではないか、ということです。Dynalistの応用をあれこれ試みている今だから思うことですが、ノードのノート欄の書き方を決めておいてそれをプログラムがうまいことデータ化してくれれば良いような気がします。タグ欄、日付欄、メモ欄……とそれぞれ欄を設けると息が詰まってしまいますが、書いても書かなくてもいいノート欄がひとつあるだけなら息苦しくなりません。

メモ欄

タスクの目的や経緯を記すメモ欄も必要です。
ただし各タスクにそれらを書くのはうまくいかない感じがします。タスクは高速で流れて次々消費されていきますが、それと一緒にメモがどこかに行ってしまったら困ります。なので個々のタスクの下に位置するのはよろしくありません。(やり方の補足のようなメモならそれでもいいのですが。)
加えて、一つのメモから三つのタスクが生まれたり、二つのメモから一つのタスクが生まれたりということが普通にあり得ます。そうなると、メモとタスクは別に存在し、多対多のリンクがあると良い気がします。
ですがあまりかっちり親子関係・リンク関係を管理せず、柔軟に扱えたほうがいいだろうと思います。あくまで「メモ」です。タスクに埋もれて自分の頭が混乱しないようにするためのものであって、そんなにきちんとしている必要はありません。

今のところ思いつくのはこんな感じです。これを実際に実装するにはどうしたらいいか。もしかしたらDynalist APIを駆使すればいい線までいくかもしれません。
ちょっとだけ理想像から後退させて考えれば、普段のタスク管理はDynalistでやって、全体俯瞰ビューをDynalist APIで構築するようにするだけでも割と良い感じになりそうです。htmlを用意すればいいのでスマホ用アプリ開発までしなくてもスマホ・PC両用のツールは作れることになりますね。
書き始めた時点では全然実現可能性は考えていませんでしたが、こうしてみると「意外とやりようがあるかも?」という気になってきました。実際にその通りにやるとDynalist依存の高まりがちょっと不安要素になってしまいますが。

2024/01/30

ルリチュウレンジ

漢字が想像できない名前シリーズ。
ハバチの仲間の蜂。全身メタリックブルーで綺麗。写真だと光沢がわかりにくいけど、実物を見ると甲虫並にピカピカしている。針が無いので刺さないし、動きものろいので、蜂と言っても怖くないやつ。
漢字は「瑠璃鐫花娘子」。変換したら余計にわからない。瑠璃色のチュウレンジバチなのはいいけども、「鐫花娘子」とは。
(↓でかでかと虫の写真があるので苦手な人は開かない方が良いです。)

「鐫」は、「のみ」と読み、木材などをうがつ道具のことを意味しています。
ふむ、葉や茎に卵を埋め込むように産みつける様子からこういう名前のようだ。「鐫」は音読みでは「セン」のようだけど、じゃあ中国語読みなのかというとそれも違うような? 「鐫花娘子」がどうして「チュウレンジ」に…。

この記事ではネット上の記述を調べた結果が報告されているけれど、まあやはりよくわからない。

個人的な推測では、注連縄(しめなわ)の“注連(ちゅうれん)”から来ているというのもあり得るか…? とは思った。
これは気持ちとしては結構なるほどと思えた。葉の端に卵を産み付けていった時の様子が縄っぽい感じがなくもない。
レファレンス協同データベースも見てみたが、過去にチュウレンジについて質問した例は収録されていないようだ。今度図書館に行った時にでも調べてみようかと思う。

晩夏になると、気づいた時にはツツジが幼虫だらけになっていたりする。まあよっぽど大量発生しないとすっかり丸坊主とまではいかないと思うけども。

どうでもいい文句 どうでもいいけど、チュウレンジバチ駆除について書いているとあるWebページで使われている写真が、幼虫も成虫もどう見てもチュウレンジバチではなかった(アメリカシロヒトリか何かの幼虫とクロウリハムシの成虫に見える)。専門家面して適当な情報をばら撒かないでほしい。
 
2024/01/29

RPG的ライフ・アウトライン

 Dynalistにライフ・アウトラインを作ることにした。
 ライフ・アウトラインとは、Tak.さんが著書およびnoteの連載にて提案なさっている、アウトライナーを用いてライフ(生活と人生)を把握したり練ったり前進させたりするメソッドである。

2024/01/29

もしかして:

私は音楽が好きなのでは?
前に「音楽が好きというほど音楽が好きなわけでもない」と書いたけど自分を作るもの、その割に音楽の話をしようという気持ちが強い感がある。
好きであるということは専門性を有するかどうかとは全然関係がない。逆に何かの専門家もその対象を好きとは限らない。流れでその専門家になっちゃったからやってるだけです、という人も普通にいる。
でもなんとなく、好きと言ったら人より「詳しい」必要があるかのような気がしてしまう。これはなんなんだろう。
別に「好き」のゴールは「オタク」でも「マニア」でも「フェチ」でもないだろう。メジャーなものしか聞かなくても、トレンドを全て把握してなくても、音楽用語をきちんと知らなくても、その体験を気に入っていれば好きと言ってもいいような気がする。

2024/01/28

じゆうちょうノート術(仮)③16分割レイアウト

 前回までの記事はこちら。


 じゆうちょうノート術(仮)と称しているこの使い方は、ノートの罫線に縛られない(罫線があるとそれに従おうとしてしまう己の心に縛られない)ために無地のノートを使っています。決まったフォーマットも作りません。
 とはいえいつも無秩序で行き当たりばったりなのが良いというわけでもありません。境界によって領域が区切られていた方が良い場合もあります。

 そんなわけで、このノートには四辺に境界線のガイドを付けています。

画像

 はっきり見えるように大袈裟に記していますが実際にはもっと控えめです。なお以前には印刷していたことがありましたが(前記事に書いた両端の線と一緒に)、今はマッキーで小口と天地をちょちょっと塗るだけで済ませています。
 四辺に付けられたガイドにそって線を引けば、見開きを最大4列×4行=16分割できるようになっています。
画像

 4分割で使っていることもあれば……。
画像

 変則的に区切っていることもあります。
画像

 先に区切っておいて書き込むこともありますが、書きながら区切りたいところで区切っていることも多々あります。もちろん前記事の例のように全然区切らないページもあります(ここ数年はどこも区切らないページの方が多いです)

 区切って使うのはどんな時か、例を挙げてみます。

  • 【4列4行】思いついたものをとりあえず書き込むInbox的メモ
  • 【4列4行】16マス埋まるまでアイデア出し
  • 【4列1行】バーティカル手帳風スケジュール(4日分)
  • 【2列4行】名言集
  • 【変則分割】読書ノート など

 活用法は無数にあるでしょう。次の記事でいくつか具体的に書いていきます。
 

2024/01/28

黄金魂

湘南乃風の曲。2008年。
湘南乃風「黄金魂」MUSIC VIDEO - YouTube
単体で聴いて泣いてしまった経験をしたのはこの曲だけかもしれない。(挿入歌のようにシチュエーションが合わさって泣いたのはある。)
もう結構前のことになる。心が疲れきっていた帰り道、音楽を聞きながら歩いていたらシャッフル再生でこれがかかり、いつもは気にしない歌詞がちゃんと言葉として耳に入ってきた。
なんというか、生きなきゃ駄目だなと思った。踏ん張っていこうとか思えたわけではないけど、死ぬのはやめたほうがいいということは思った。この歌は上っ面の励ましじゃない感じがしたからだと思う。
この社会ってうまくいかないよね、という「あるある」的な共感じゃなくて、社会に押し潰されて人生を諦めて、そうしたら本当に何にもなくなっちゃうぞという、リアルで差し迫ったメッセージを感じた。誰かの人生がそうして何にもなくなっていってしまうことを、この人たちは本当に悲しんでいるのだろうと思った。「まあ頑張っていこうぜ」ではなく、「お願いだから頑張ってくれよ」という感じ。
実際のところどうかは知らないけれど、私の耳にはそういう叫びとして届いた。

管理人

アイコン画像

のらてつ Noratetsu

キーワード

このブログを検索

検索

ブログ アーカイブ

2025
2024
2023
2022
2021