謙虚
多分みんな自分のことは謙虚な方だと思っている。
多分みんな自分が思っているほどは謙虚ではない。きっと私もそう。
他人から見たら明らかに尊大でも本人はむしろ謙虚だと思っている可能性があるのは、その人の振る舞いにも大抵は他者由来の根拠があるから。誰かの考えに従順に、そして尊大になっている。
何か「決めつけ」っぽいことを言うのは、大体根拠がある。それが正しいか正しくないかは別にして、「自分が考え出したのではない何か」に従っている限り、それは自覚としては「その人の言う事をちゃんと聞いている」ということになり、すると謙虚だと自分では感じるだろうと思う。
謙虚の定義が人々の間でそもそも曖昧で、「謙虚になれ」というのは戒めとしてあまり役に立っていないような気がする。
謙虚でなければいけないと身に沁みた人の言葉も、その真剣さが多分なかなか伝わらない。
自罰性との境界もはっきりしない。もちろん区別を語ることはできるけれど、実際人々がみんなそれを明確に区別して考えられるとはちょっと思えない。「謙虚」は難しい。