文章のネタをメモする際に、ネタを死蔵させないために取るべきメモの形。
ただ対象そのものを「Aについて」的に書くのではなく、「Aが存在する以前」と「Aが存在して以降」にフォーカスしてメモしておくということ。
「これ」に感動したから何かを書こうと思ったという時、そこで意識されているのは「これ」そのもの、またはそれに対する感動だが、文章にするのであれば文章としての未来をそこで設定しておく必要があるのだろう。あまりにも自明であれば省略しても問題ないが、常に省略していると、気づいた時には既に風化して取り返しがつかなくなっているという事態に直面する。一手間かけて、「これ」と出会う前と後の状態を書いておく必要がある。
しばしばブログ記事のタイトルに「○○したら△△になった」という形の表現が見られるが、それは要点としてとてもよくできていて、ただ読者を惹きつける手法としてだけではなく、後日文章を書く自分を惹きつける言い回しとしてメモに使うと有効に思える。変化を引き起こした事物そのものではなく自分自身の体験・体感にフォーカスしたメモを作るのである。