Obsidianは日報用のファイルをクリックひとつで作成することができます。
設定>コアプラグインの中の「デイリーノート」をonにすると有効になります。
デイリーノートにはテンプレートを設定でき、自分が必要と思う項目を予め用意しておくことができます。いちいちコピーして転記する手間がないので、とても楽です。この僅かな一手間が継続の妨げになったりするのですよね。
前回(【Obsidian】Zettelkastenのテンプレートはこう使っています)はZettelkastenプレフィクサーについて自分の活用例を書きましたが、今回もデイリーノートについて私の例を記していこうと思います。
早速ですが、私は以下のようにテンプレートを設定しています。
<hr />
aliases: [{{date:YYYY/MM/DD}},{{date:YYYY年M月D日}}]
tags: [{{date:YYYY/MM/DD}}]
<hr />
# {{date:YYYY-MM-DD}}ToDo
- [ ]
# {{date:YYYY-MM-DD}}日誌
-
# {{date:YYYY-MM-DD}}覚書
-
これに従ってデイリーノートを作成すると次のようになります。
日付の書式はデフォルトのまま「YYYY-MM-DD」にしてあるので、ファイル名は「2021-03-02」です。
<hr />
aliases: [2021/03/02,2021年3月2日]
tags: [2021/03/02]
<hr />
# 2021-03-02ToDo
- [ ]
# 2021-03-02日誌
-
# 2021-03-02覚書
-
ファイル名は「/」を使えないので年月日をハイフンで区切っていますが、普通に文中で言及する際は「2021/03/02」や「2021年3月2日」になることが多いのでaliasesを設定しています。これを設定しておくとバックリンクタブに他のファイルでこの日について言及したものが表示されます。他に必要が生じたら別の表記も加えるかもしれません。
年月日のタグを設定しているのは、例えば「tag:#2021/03」を更新日降順で表示することで「最近のノートをさっと出してくる」みたいなことを簡単にしているのと、日単位で何件ページを作成したかを見やすくするためです。
そして見出しをつけて「ToDo」「日誌」「覚書」の欄を設けています。
ToDoは「今日やること」、日誌は「今日あったこと」、覚書は「今日思ったこと」、を書き出す場です。
例では空欄にしていますが、毎日必ずやると決まっているものはToDo欄に具体的に書いてしまうとよいでしょう。
覚書に書いたものは、ある程度形になるようだったら(基本的にZettelkastenで)新しいページを作って移し、デイリーノート内はなるべくスリムに終わるようにしています。
で、ここからがObsidianの本領発揮です。レビュー用に別途「2021-03日誌」というページを作り、次のように書きます。
![[2021-03-01#2021-03-01日誌]]
![[2021-03-02#2021-03-02日誌]]
![[2021-03-03#2021-03-03日誌]]
(中略)
![[2021-03-29#2021-03-29日誌]]
![[2021-03-30#2021-03-30日誌]]
![[2021-03-31#2021-03-31日誌]]
「![[ファイル名#見出し]]」の形で、その見出しの範囲だけ埋め込み表示させることができます。
こうしておくと、このファイルをプレビューすればデイリーノートの中の日誌の部分だけが一ヶ月分並びます。各見出しにいちいち年月日を併記しているのは、埋め込み表示した際に何日のものかが表示されるようにするためです。
同様に「2021-03覚書」も作っておきます。(ToDoは今のところ必要を感じていないので作っていませんが、置換すればいつでも簡単に作ることができます。)
これまでScrapboxやEvernote、あるいは紙の手帳やノートでも日単位のページというのを作ろうと試みてきたのですが、日単位ではどうしても一覧性がなく、一覧するためだけに週単位や月単位の欄に転記してまとめ直すという手間が必要でした。そうすることで日々を振り返って反省して……という機会にもなるのはわかっていましたが、面倒臭さの方が勝ってしまってまとめ直しが続くことはありませんでした。
しかし! Obsidianなら自動的に並べてくれます! すごい!
(まだ存在していないページを埋め込み表示させると「~は作成されていません。クリックで作成します。」という表示が並ぶことになりますが、未来の部分は見ないので気になりません。)
単に「![[2021-03-01]]」の形で並べればデイリーノート全体をひと月分一覧することができます。ただ、個人的には**「やること」「あったこと」「思ったこと」が全て並んでいる状態は情報量が多すぎて有効に扱えず**、この三種類に分けてそれぞれをチェックするのが自然に思えたので、別々にレビューページを作っています。
例えば「先々週ってどんな感じだったっけ」と思ったら「2021-02日誌」を開いて眺めれば何をしていたかがすぐに分かります。なるべく「あったこと」と「していたこと」だけを並べるようにするとスッキリとして見やすいです(が、自分の日誌なので、自分に必要な情報を適宜自由に並べます)。
また、日々の覚書の欄には「ちょっと思いを巡らしたが、それ以上になっていないもの」が大量に残されることになるので、レビューページでざっと見返すことでそれらがそのまま眠ってしまわないようにしています。形になったものはどんどんカット&ペーストで個別ページに移して覚書欄から撤去していくので、レビューページは見返せば見返すほどスリムになっていきます。
埋め込み部分は右上に「Open link」のボタンが表示されるので、それをCtrl+クリックすればその日のデイリーノートを新規ペインでサッと開いて編集することができます。なのでカット&ペーストの作業は面倒にはなりません。
Obsidianの「見出し単位で埋め込み表示をする」という機能によって、日々の記録の振り返りは劇的に簡単且つ楽しいものになりました。記録した後の活用手順がはっきりしたことによって、記録自体も前向きになり面倒臭さを感じなくなっています。
なお、Obsidianを始めた当初は、それまで一覧性を求めて週単位などで日誌をつけていたのを引きずってデイリーノートを使わずにいたのですが、そうすると検索をかけた時に具体的にいつの記述かわからないので(というか、デイリーノートを作っておけば検索した時点でいつの記述か一発でわかるので)、デイリーノート機能を使ったほうが圧倒的に情報が整理される感じがしています。