いきものに焦点を当てた歳時記を読んでいた。
鳥獣虫魚歳時記 秋・冬の巻 | 実, 飴山, 汀子, 稲畑 |本 | 通販 | Amazon
季語になっている鳥獣虫魚について、大きく美麗な写真と専門家による解説があり、そこに俳句が一句から十数句、例句として添えられている。季語を知ろうと思って手に取った本だが、いきもの図鑑としても優れた素敵な本だ。
私は俳句については全く素養がなく、プレバトなど夏井いつき先生出演の番組や俳句甲子園の番組を気まぐれにちらちら見る程度なのだが、非常に魅力的な世界だなと思うので死ぬまでにいくらか造詣を深めたいと思っている。最低限のルールについては解説書を一冊読んでおさえたところ。
この歳時記はとても楽しかった。気に入った句をノートに書き写して、今数えると112句だった。ごく一部だけピックアップしたが、数えてみれば結構な数になっていた。
載っていた句は四千句とのことだが、俳人の数に対して全然少ないと思うので、きっとごく一部の人の句しか触れていない。その中でも「この人いいぞ!」と感じる俳人が何人かいたので、まずはこの人たちを入り口として俳句の世界を楽しんでいきたいと思う。
高濱虚子(1874-1959 正岡子規に師事)
赤星水竹居(1874-1942 内藤鳴雪、高濱虚子に師事)
松根東洋城(1878-1964 夏目漱石に師事)
吉田冬葉(1892-1956 大須賀乙字に師事)
山口青邨(1892-1988 高濱虚子に師事)
阿波野青畝(1899-1992 原田浜人、高濱虚子に師事)
高濱年尾(1900-1979 高濱虚子長男)
稲畑汀子(1931-2022 高濱年尾次女)
ほか。以上は掲載句が多い人たちで、一句二句しか載っていないがそれが気に入ったという作者も他にたくさんいる。
とりあえず高濱虚子の一門を追えばいいのではないか?と思っているところ。でもこの中で一番気になっているのは松根東洋城で、こちらは高濱虚子と確執がある模様(ただし俳句観の問題ではないかもしれない)。
ちょっとだけ調べて思ったのは、あんまりそれぞれの主義主張や性格について知ると疲れてしまうということ。まずは句が個人的に好ましく感じるかどうかを基準として、無邪気に楽しめるだけ楽しんでいこうと思う。