ブラウントラウトという魚が国内の川で生態系を脅かしているらしい。
しばしば人間が後先考えずに放流して自然をめちゃくちゃにするということがあるけれど、飛騨市の小鳥川というところではかつて釣り堀用に養殖されていたのが台風の被害を受けて意図せず流れ出してしまったということで、なんともやりきれない気持ちになった。
ちょっと何かあっただけでそうなるような場所で外来生物を扱うということ自体が危険だし、やむを得ずやるなら厳重に壁で囲うなどすべきなのだろう。ウイルスなら「絶対流出させない!」と自然と思えるだろうけど、なまじ目に見えて手で扱える大きさであるだけに、その生き物の運動能力を基準にして「これなら普通大丈夫」で済ませてしまうパターンが多いのだろうと思う。備えにはお金もかかるし。
それにしても、何か事故が起きたり実態が明らかになったりする度に「そんな状態でやってたのか」と驚き呆れることになるわけだけど、「念の為」は心にも頭にも経済にも余裕がないとできないことで、きちんと上手くやれているところの方がむしろ人間という生き物がやることとしては異様なのだろう。
個々人のそういうステータスに依存せずにちゃんとやるために組織というものがあるのだと思うけど、世の組織はあまりそのようには機能していないように思われる。