Noratetsu Lab

動じないために。

ツゲノメイガ

昆虫図鑑と蛾の続き。続くと言ってから三週間経った(驚愕)。

ツゲノメイガの成虫は、真っ白な体で白地の翅には茶褐色に縁取るような模様がある。名前の通りツゲにつく蛾で、幼虫の数によってはツゲがぼろぼろになる害虫である。家のセイヨウツゲにもついているが、気になるほどの数の幼虫が発生するわけではないので特に対策はしていない。
幼虫がいるらしいことは糸の痕跡からわかっていたが、成虫の姿は長らく見かけていなかった。一昨年だったか、昼間にひらひら飛んできて木の葉(ツゲではない)に止まったのを見て、「なんだこれは!」と思った。蝶なら大抵「○○の仲間だな」と分かるので蛾だろうというのは判断できたが、『コンパクト版原色昆虫図鑑』には載っていない。仕方ないので図書館に行って一番大きい原色昆虫図鑑を引いて、頭からぱらぱら見ていって8割以上めくったところでようやく出会った(後ろからめくっていればすぐだった)。「ツゲノメイガ」とあって「お前かー!!!」と思った。
ツゲにつく幼虫はツゲノメイガ、まではその前から知っていた。のだが、なぜかそこでついでに成虫の姿まで調べなかったのである。見たものに成虫の写真は一緒に載っていなかった。

綺麗な虫なのだが、といって今写真を検索してもらってもピンと来ないと思う。「いや、まあ蛾ですね」としか思われないかもしれない。しかし明るい日差しの元で瑞々しい若葉に止まっているのを見ると、白が輝くようでとても美しい。
美しさが伝わりそうな写真はこちらに載っている。

蛾の種類は数あれど、ツゲノメイガに似た見た目のものはないようだ。蛾しか載っていないでっかい昆虫図鑑を頭から見ていったからわかる。

ところで、ネットで調べるとツゲノメイガについて「ツゲ、マメツゲなどツゲ科の木につく」というような記述をされていることがある。複数見かけた。しかしマメツゲはイヌツゲ(モチノキ科)の一品種でツゲとは全く異なる種類の植物であり、ツゲノメイガはつかないはずだ(実際うちにあるマメツゲにはついていない)。なぜわざわざマメツゲを併記しているのかわからない。何かと勘違いしているのだろうか。
ちなみにイヌツゲ、マメツゲにはアカシマメイガというのがつくようだが、成虫を一回だけ見たことがある。小さめの蛾だが、紅色がかった色味の翅を開いて止まる姿が印象的だ。幼虫は姿を認識できていない。他にはマエキオエダシャクの幼虫をよく見かける。肩のあたりが妙に隆々としていてちょっとおかしい。そこに何が入ってるんだろうと思う。

面白いと思って見てみれば蛾も面白い。育てている草木や衣類を食い荒らされたり家の中をばたばた飛び回られたり灯りにわらわら集まって来られたりするのは嫌ではあるが、そういう嫌さがあるということと、だから一切関心を向けるものではないなどという価値判断を繋げる必要はない。

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