NHKの「サイエンスZERO」でアリの音によるコミュニケーションが取り上げられていた。
ハキリアリは切り取った葉っぱでキノコを育てる農業アリとして有名だが、それに留まらず(というかそれを実現するために)、腰にあるギロのような器官で音を発してメッセージを伝え合うという能力を持っているらしい。
専門家の研究対象がハキリアリであるためハキリアリがメインに取り上げられていたが、この能力を持つアリは少なくないようだ。記憶が曖昧だが確か半分くらいの種がそうできるという話だったかと思う。
フェロモンでのコミュニケーションも用いているが、音の方が即時性があり便利なようだ。なお音による会話を封じられるとハキリアリたちはさっぱり社会的な行動ができなくなり、今自分ができることをただただ繰り返すということになる。フェロモンを封じられた場合以上に生産性が落ちてしまうとのことだ。
人間は会話能力を人類特有のもののように思っているし、それは間違ってはいないが、しかし人間が思っているよりはずっと複雑なコミュニケーションを他のいきものたちは交わしているのだろう。シジュウカラなどの小鳥は鳴き声を「文章」として使っているという話もある。
何百万年、何千万年、何億年と続いているのだから、それくらいやるよ、ということなのかもしれない。