うちあわせCastのこの回を聴きました(結構前に聴いていました)。
この中でCapacitiesでプロジェクトを扱うことについて語られていましたが、自分の感覚とかなり違う気がしたので、どこが違ってそれがどこから生まれる違いなのか考えてみたいと思います。(批判や正解探しということではなく単純に「何が異なっているのか」の分析を試みるということです。)
オブジェクトを全て「~についてのノート」と思っている
倉下さんのお話の中で「プロジェクトについて書いたノートオブジェクトがある」という話がありました。ここにまず捉え方の違いがあるようです。
Capacitiesのオブジェクトタイプは、TagやWeblink、PDFなどのベーシックなオブジェクトを除いて全て「Pageオブジェクトの派生」と解釈しているので、私の中で「○○オブジェクト」は「○○についてのPageオブジェクト」ということになります。
ベーシックオブジェクトは、例えばPDFオブジェクトがPDFそのものを扱うもの、imageオブジェクトが画像そのものを扱うものであるように、オブジェクトが実物です。そこにノートを添えることもできる、という形です。しかしカスタムオブジェクトでは実物を扱うということは基本的にあり得ません。Bookオブジェクトはあくまで本についてのノートであって、Capacitiesの中に本そのものは存在しないわけです。
プロジェクトももちろんそうです。本そのものや人物そのものがCapacitiesの中に収まっているわけではないように、プロジェクトそのものがCapacitiesの中に存在するということはあり得ません。常に「それについてのノート」の形になります。
個人的にはそのように認識しているので、「ノート用のオブジェクト」というものは生まれず、Projectオブジェクトは「プロジェクトについてのノートというオブジェクト」ということになります。
プロジェクトを単に「ノートが必要な『やること』」と思っている
プロジェクトという言葉をどう定義するかというのは、生活・仕事の前提によって大きく変わってしまうところだと思うのでなんとも言えませんが、私がCapacitiesでProjectオブジェクトを使う時というのは、単純に「ノート部分を必要としている『やること』」を扱う時と言えます。
そして基本的には「完了できるもの」です。ただし断続的にやるものについても、場所を分けることにメリットがないという意味でProjectオブジェクトで扱っています。しかし「完了がないもの」の取り扱いは割合としてごく一部です。なお、例えば「本を読む」「掃除する」「語学を習得する」のような基本的な動詞で表される習慣的なもの、スキルアップを目指すものはProjectオブジェクトではなくDoingオブジェクトというものを作って扱っています(Capacitiesのマイオブジェクト⑥ セルフマネジメント系)。
また、ルーティン以外のほぼ全ての「やること」が、Projectオブジェクトになっているか、またはいずれかのProjectオブジェクトの中に含まれる要素かになっています。よってデイリーノートのToDoリストにはProjectオブジェクトのリンクが並んでいるということになります。ToDoリストはアウトラインになっていますが、①リンクのノードそのものにチェックボックスがついているパターン、②リンクノードの子項目にチェックボックス付きの小タスクが並んでいるパターン、③リンクノードを子項目としたチェックボックス付き親項目があるパターンがあります。
Capacitiesは現状全文検索が役に立たないという実用上の問題もあって、情報をオブジェクトから辿れるようにしておく必要を感じており、基本的に全ての「やること」がProjectオブジェクトのタイトル、本文、バックリンクのいずれかで把握できるようになっています。
あるProjectオブジェクトが、他のProjectオブジェクトのサブタスクになっていることも偶にあります。プロジェクトは入れ子になり得るというのは前にも考えたことがありました(タスクとプロジェクトを考える)。ただ、今のところは「偶に」で、基本的にはフラットになっています。タスク群を一通り完了することで意味をなす、その「一通り」を粒度としてProjectオブジェクトのページを作っている形です。なのでページ本文の文量はプロジェクトごとにかなり幅があります。本文が一行で終わることもあれば、トグルを多用して長文を畳んだり規模の大きいアウトラインを作っていたりのこともあります。
サブジェクト基準でプロジェクトにしていない
ここまで考えて思ったのは、多分ですが私はCapacitiesに於いてはサブジェクトをProjectオブジェクトとして扱ってはいないのだろうということです。(「サブジェクト」の理解に自信がありませんが、多分。)
何をどうしていきたいか、ということはライフ・アウトラインの中に含まれるものと見なしています。実際にライフ・アウトラインの場に書いていることもあれば「本来あるべきはライフ・アウトラインの中なんだよな」と思いながらデイリーノートやフリーライティングの場に書いたきりになっていることもありますが、ともかく思いやテーマについては「最終的に存在すべき場所はライフ・アウトライン」ということを前提とし、そこから生まれた具体的な「やること」がProjectオブジェクトになります。何をもって完了とするのかが見えた時点でProjectオブジェクトとして形を持ちます。
認識の個性の違いが明瞭になったかどうかはわかりませんが、そんな感じで私はCapacitiesのProjectオブジェクトでプロジェクト(と私が認識している塊)を扱っています。
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