以前、倉下忠憲さんがDoMA式というWorkflowy運用術を提案なさっていた。

 DoMAとは「Depend On My Attention.」の略であり、使う人の注意の構造に合わせて情報を扱うことがこのメソッドの核になっている。

 DoMA式は以下の三つのポイントによって成り立っている。

  • ワンデイリスト

  • 注意オブジェクトモデル

  • フラットスタイル(ヒエラルキーレス)

 私はDoMA式についての一連の記事を拝読した時にリアルタイムでいたく感銘を受けたのだが、今Capacitiesを使いながらこのことを思い返した時、まさにDoMA的に運用しているのだということに気がついた。

 

 Capacitiesはデイリーノート機能を提供しており、毎日そのデイリーの欄を拠点としている。つまりワンデイリストである。

 私は「やること」についてはProjectオブジェクトとしてページを作っている。Capacitiesでのプロジェクトの扱いを考えるで詳しく書いたけれども、これは所謂「プロジェクト」とはちょっと違った粒度だと思う。私が一塊として扱いたいと思ったそのまとまりであって、自分のイメージする「あれ」の感覚である。それは倉下さんが書かれているのと同様に、基本的に階層を作らない*1

 「注意オブジェクトモデル」は「プロジェクト」や「やること」より広い概念を指していると思う。他のあらゆる「自分が注意を向けているもの」が含まれるが、そういうものを扱うのがCapacitiesなので、Projectオブジェクト以外にも色々なものがある。ただし「もやもや考えていること」はオブジェクトとしては扱いにくいので、Workflowyのノードほどの柔軟性はないかもしれない。一応「~について考える」とすればProjectオブジェクトとして違和感はなくなる。

 Capacitiesは階層管理にはなっていないので、必然的にフラットスタイルになる。オブジェクトタイプとそのコレクションは階層構造のような見た目をしてはいるが、それは単にフィルターで絞り込んでいるだけであって、オブジェクト自体は階層を持たずに存在している。

 よって、今注意を向けているオブジェクトのページをピン留めしたりどこかのページにリンクを並べたりすれば、それはフラットスタイルの注意オブジェクトモデルということになる。また、ページにリンクを並べる形式を取るならば、Capacitiesのページの粒度とは合わないような注意対象もそこに一緒に書き込むことで扱うことができる。

 

 倉下さんのDoMA式はWorkflowyを使う上での具体的な手法なので、そもそも形の違っているCapacitiesとイコールで結ばれるわけではないけれども、DoMA式の肝になっている部分はCapacitiesと相性が良いということは言えると思う。DoMA式とCapacitiesのリンクというのは昨日得た閃きだが、今思うに私がCapacitiesを使い始めた時に得た感動はDoMA式を見た時の感動と同じ種類のものという感じがする。

 プロセス型アウトライナーでは自分の中で「オブジェクト感」が足りずにDoMA式を十分に実践できなかった。Capacitiesと出合って、ようやく「あの感じを自分もちゃんとやれるようになった」という思いでいる。


*1: 倉下式WorkFlowy運用術 その2:注意オブジェクトモデル | R-style

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