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Noratetsu's Roomのリサイクル計画2025/02/18

2021年から2022年あたりはCosense(Scrapbox)の公開プロジェクトをサイト代わりにしていた。

今読み返してもいろいろ面白いことを書いていると思う。しかしもうこのプロジェクトを更新する気はないし、このままにしても何も生まれない。何かしらの流れの中に過去のノートを組み込みたいけどどうするのがいいか…。

 

Noratetsu's Roomの気に入らないところは、ネットワーク型に全然向いていない記述が入っていたり、誰に向けて言いたいのかも曖昧だったり、とにかく雑然としているところ。自分の性格に合っていない運用をしてしまった。Scrapboxの懐の深さに甘えてカオスを作り出したことに反省がある。

今何かを公開するとしたら以下のいずれかになる。

  • Noratetsu Houseの記事

  • Noratetsu Houseの茶の間

  • Noratetsu Houseの雑記帳

  • note

  • トンネルChannel

  • Bluesky

軽い記述は茶の間あるいは雑記帳がいいだろう。一部は実際に雑記帳に移した。

そもそも記事として書くには足りないところがあるからScrapboxの曖昧なアウトラインで終わらせていた感があるので、Noratetsu Houseの記事にするのはあまり現実的じゃないかもしれない。

一方で同じ「記事」でもnoteならいけそうな感じがある。読む層が違うから。ライトに書くという選択肢がある。自分のサイトの記事を1000字で終わらすのはものすごく消化不良感があるが、noteだと逆に5000字とか書くと多すぎる。

とりあえずScrapboxのままだと扱いづらいので、機械的にOPMLにしてDynalistに取り込んでしまおう。

NHK短歌とヒコロヒー2025/02/15

NHKのEテレで「NHK短歌」という番組が放送されている。

この番組の司会の一人がヒコロヒーで、静かに淡々と進みつつ時折的を射たようなコメントがスッと出てくるのを面白く見ている。

あと普段目が取り澄ましたような雰囲気なのが、時々ぱっと目を開いた時にすごく輝いた感じになるのが好き。CMで看護師を演じている時にも思った。

腹筋は歯磨き中に鍛える2025/02/12

歯磨きをしている時間を何かに活かせないかなあと前から思っていた。

できればトレーニングになるものがいい。しかし歯磨きは歯磨きである程度意識を向ける必要があるし、動きのあるものは歯磨きの方が疎かになる上バランスを崩す可能性があると危険だ。そう思いながらヒールレイズとかスクワットとかをちょこちょこやっているけれど、もっと適当なものがあったらその方がいい。

この間たまたま、著名なトレーナーのAYAさんがテレビに出ているのを見かけ、そこでドローインの話をしていた。ドローインについてはかなり前から知ってはいたのだが、例によってやるタイミングを固定できず大概忘れていた。あと前にミュージシャンのROLLYが、四六時中お腹を凹ませて細身の肉体を維持しているという話をしていた。

ということで、歯磨き中に何かトレーニングしたい+ドローインというトレーニングがある+四六時中やることで鍛えている人がいる、という三つをたまたま同時に思い浮かべた。そうした時、「歯を磨いている間ずっとドローインしていればいい」という解答が出た。動かずに済むので危なくないし、歯磨きも一日に複数回あるから「隙あらばやるべし」系のトレーニングの習慣化には丁度いい。

表情筋はお手洗いで鍛える2025/02/11

表情筋トレーニングをしましょう、という話をしばしば聞く。そのたびに、そうだなあ、やった方がいいなあ、と思うものの、タイミングが掴めないでいた。

人がいるところや外ではやれないし(講師の先生は信号待ちにやると言っていたけど実践する勇気はない)、家に一人でいる時はそれはそれで、何かしらのことをやっているのでトレーニングのことなど忘れている。

トリガーがないとやらないけれど、トラッカーを作ったりタスク化したりするほどのことではない。

で、お手洗いに行った時にたまたま「そういえば隙あらば表情筋トレーニングすべしという話だった」と思い出し、トイレに入っている間は顔だけフリーだなと気がついた。そして他のことはできない。

トレーニングは効いている部位に意識を向けていないと効果が薄いから、あちこちのトレーニングなどを同時にはやれない。そして隙間時間にトレーニングしたい部位はいくらでもある。ということは、全身空いているようなタイミングで顔だけトレーニングするのは効率が悪い感じがして納得感がない。なので、顔以外空いてない時間が都合が良い。

お手洗いに行くというアクションと結びついて条件反射ができれば、行くたびに思い出して苦労なく習慣化できるだろう。一日に何回もあることなので定着しやすい気がする。定着したらパソコン作業中などにも思い出すようになるかもしれない。

甘いもの食べたい欲がなくなった2025/01/13

食べようと思って手元に持ってきた個包装のお菓子を一週間以上放置している。食欲はあるけどお菓子を食べたいという気持ちが急激に減退して手が伸びない。なんでだか。

昔逆に絶えず食べてた時があり、その時は完全に鬱だったので、食べる気にならない分には別に大丈夫かなとは思う。自分の中では食べたい方が多分危険。でもそれにしても急な変化だ。

Dynalistのサーバーダウン2025/01/11

Dynalistが14時前から21時半頃までサーバーがダウンして使用できなくなった。

Dynalistへの依存度がやや高いのでたいへんに困った。ツイート検索すると反応の数はそんなには多くないようだったので重用している人はそれほどいないのかもしれないけど、仕事で使っている人はいるだろうし、致命的な影響を受けたということもあったのではないだろうか。午後丸ごとは長すぎる。

何かしらのサービスでサーバーダウンに遭遇する度に思うことだけど、クラウド上にデータを保存しWebアプリで作業するということのリスクを考えざるを得ない。世界中で災害も絶えず起きているし、どこかの段階で物理的に寸断されて使えなくなる可能性だってある。

ローカルにデータがあり、クラウドに同期しつつ、作業をオフラインで行えることはかなり重要なことだなと思う。サービス提供者に頑張ってもらうことにはどうしても限界があるし、自分のデータは自分の管理下にあるというのは大事だ。

表現者は精神の第一次産業従事者2025/01/03

昨年7月に放送していたらしいNHK「最後の講義」のヤマザキマリさんの回を見た。

そこでヤマザキマリさんが「表現者は精神の第一次産業従事者」と述べていた。

その通りだなあと納得した。最初の資源を見出し形作り提示する仕事。表現者がいなければ批評者も存在し得ないし表現を元にした商品も生まれない。

ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2025/01/01

毎年元日はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを見ている。

今年の指揮はリッカルド・ムーティ。

今回は初めて女性作曲家の曲目が演奏されたことが話題だ。コンスタンツェ・ガイガー(Constanze Geiger)の《フェルディナント・ワルツ》。

あとバレエもいつもと趣が違ったように思う。解説などを全然見ていないので個人の感想だが、ひょっとするとものすごく劇的なことだったのではないかと思った。

ヨハン・シュトラウス2世の《加速度ワルツ》の方は、恋愛風の雰囲気ではあったのだが一体どういう関係性ということになっているのか全くわからない。衣装も不思議。男女三人で踊る場面や男性が男性をリフトする場面が印象的だった。滑稽味があって面白かった。

ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ《トランスアクツィオン》の方ではウィーン産業技術博物館の機関車の前で、かなり前衛的な黒い衣装で行われた。踊りは機関車の動きを表していて、そういう人工的な無機物を表した演目は珍しいのではないかと思った。

 

毎年見てはいるものの、特に詳しいわけではない。よくわからないながらも、やっぱりラデツキー行進曲を聞かないことには一年が始まらないな、などと思っている。儀式のようなものだ。

そういえばMCは林田理沙アナだったが、さすが芸大音楽学部出で造詣が深いということなのか、曲後のコメントにかなり気合が入っていた。せっかく時間と金をかけて学んだわけだし、専門分野が活かせるのは良いことだ。

ゲストは夏木マリで、リッカルド・ムーティの大ファンということで愛溢れるコメントがとても良かった。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー2024/12/31

大晦日はいつもならEテレで第九とクラシック名演奏を見て過ごすけれど、今年はスーパーマリオブラザーズの映画の地上波放送があったので21時まではそちらを見た。第九はちょうど合唱から見られた。

かなりの評判だったのを知っていたのであまり不安なく見始められた。冒頭はちょっとしんどい流れだったけど、まあ物語を作るとなればこうならざるを得ないんだろう。上手くいっていない人生が物語の中で輝かしいものになっていく、というのは定番中の定番だ。

異世界にワープしてからはずっと面白かった。ピーチ姫が強くて良かったし、クッパがそういうところを好いているというのも良い。ピアノで弾き語りし始めたのには笑った。クッパの所業は普通に酷いんだけどね!

ドンキーコングやマリオカートがストーリーの中に自然に組み込まれていたのには感心した。

マリオシリーズは64時代までしかやっていないからその後にできた設定がどこにどのくらい反映されていたのかはわからなかったけれど、昔やったきりの人間にも楽しめた。愉快な大晦日を過ごせて良かった。

報道の日2024/12/29

報道の日2024|TBSテレビ

MCは膳場貴子、中田敦彦、井上貴博TBSアナウンサー。

一部だけだが見ていた。普通に暮らしていたら察しとることは難しいことが数多く語られていた。ここで軽率に要約するわけにはいかないような相当に踏み込んだことが多々あって、いや知らなかったな、と思うこと頻りだった。

中田敦彦の抜擢とその風貌にちょっと驚いた。個人的に彼をどう思うかは置いておくとして、YouTubeを主戦場とする有名人をテレビの報道番組に繋げることは今の時代には意義深いことに思えた。

ケムシカジカ2024/12/27

ギョギョッとサカナ★スターで「ケムシカジカ」という魚のことをやっていた。

この魚、何から何まで奇天烈でびっくり。

  • アンコウのような皮弁でもじゃもじゃ

  • 更にヒドロチュウがもさもさくっつく

  • 歯が三列あり、飲み込み方がベルトコンベア風

  • 魚なのに交尾する(雌の生殖器に雄が精子をかける)

  • 魚なのに卵の孵化に三~四ヶ月かかる

  • イガイやフジツボの隙間に埋め込むように産卵する

見てから時間が経った状態で書いているのでいくらか忘れてしまった気がするが、とにかくヘンテコだ。

変かどうかというのはあくまで人間にとって馴染みがある姿・在り方と違うかどうかに過ぎないので勝手に変とか言うのも失礼な話だけど、どこをとってもいわゆるお魚像からは離れていて生態が紹介される度に「ええっ」と仰け反ってしまった。

個人的に、人間が勝手に「へんないきもの」「ざんねんないきもの」と呼んでいる種のいきものが好きなので、こういうのを見るとHPが回復する感じがある。変じゃないいきものも好きだよ(人間を除く)

こういうニュースだけ見ていたいbot2024/12/26

Twitter(X)のアカウントに「こういうニュースだけ見ていたいbot」というのがある。フォロワーは14万人超なので知っている人は多いかもしれない。

文字通り「こういうニュースだけ見ていたい」と思うような微笑ましいニュースを流してくれる。動物の話がやや多め。

最近も凄惨な事件のニュースが連日続き気が滅入る。こういうアカウントがあるとちょっとは心が休まるしありがたい。

 

中の人のお話によるとAPI使用料の値上げにより存続がピンチとのこと。

アホみたいな値上げによって、こういう地味ながら人々の支えになってきたようなサービスからなくなっていってしまう。そしてイカレたインプレゾンビが跋扈する。Xは愚か。

クリスマスは何の日か2024/12/25

テレビで「クリスマスって何の日か知ってますか?」と問われて答えられないでいる光景というのを最近複数回見た。「キリスト」の四文字すら出てこない。聡明なイメージの人がわかってなかったりして結構びっくりした。

「キリストの○○の日」の○○が何なのかが曖昧、とかならわかるが、全然それ以前の状態で毎年こう浮かれている日本人ってなんなのだろう。ケーキとチキンを食べる日、子どもがプレゼントをもらう日、イルミネーションがすごい日、なぜか恋人たちが睦み合う日。せめて「本当はこういう日なんだよね」という建前くらいはあった方がいいと思う。クリスチャンになる必要はないにしても、ちょっとは敬意を払ったらどうか。

 

去年のクリスマスに書いたもの→ケーキを食べる日

ミジンコの耐久卵/ヤリイカの精子/オスから卵子2024/12/24

サイエンスZEROで生殖の研究のことをやっていた。

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まずミジンコの話。基本はメスが単為生殖でクローンを生んで爆発的に増えていき、そして特定の時期だけオスを生んで有性生殖をする。これだけだとアブラムシと同じだなという感じでそんなに驚きはなかったのだが、有性生殖をした時の卵の変化に仰天した。

クローン卵はいかにも卵という感じの真ん丸の小さい球が集まった状態なのだが、有性生殖の際はアサガオなんかの種のように半月っぽい形の頑丈なひとつの塊になる。そしてその中に卵が二つ入っているとのこと。これは冬の寒さに対して耐性を持つためらしい。ちょっと想像したこともない変化で、そんなことがあるのかと思った。

 

次にヤリイカの話。オスは個体によって精子の大きさが違い、大きなオスは小さな精子、小さなオスは大きな精子を作るということがわかったという。これは、大きなオスは競争に勝って直接メスに精子を届けられる一方で、小さなオスはメスの脚の付根に精子をくっつけるまではできるものの後は精子の遊泳能力で放卵された卵子に辿り着かせるしかないからとか。精子としての能力が維持される時間の長さもそれぞれで全く違っている。

そのようにすれば生き残れるというのはわかるが、実際にそういう戦略を取るように変化するというのはなんだか信じがたい気持ちになる。すごい話だ。

 

最後にマウスの研究の話。オスのiPS細胞からメスの卵子を作り出し、両親がオスのマウスを作り出したとのこと。X染色体二本の生殖細胞を作る必要があるわけだが、細胞の培養をしていると分裂時に稀に染色体が一方に偏ってしまうエラーが生じ、その現象を二段階で利用する。XYからYが抜けたXOを作るのが一段階目、そしてXOからXが二重になったXXを作るのが二段階目。これでオス由来の卵子ができ、その卵子から誕生したマウスは今のところ通常と様子は変わらないようだ。

メスから精子を作る研究も行われ、もしも可能になったら例えばメス2頭を残すのみとなっているキタシロサイのような動物の種の保存に役立てられないかという話だ。

正直なんだか恐ろしい話だが、くれぐれも倫理を踏み越えたことが行われないようにしてほしい。人間である以上全ての人間が大人しく守っていられるとは思えないが。

ティッラ・カーリー神学校の礼拝堂2024/12/23

この間の日曜日にたまたま見た。舞台はウズベキスタンの都市サマルカンド。

この中でティッラ・カーリー神学校の礼拝堂が紹介されていた。「ティッラ・カーリー」は「金で覆われた」という意味とのことだが、その名の通り金色に輝いている。その輝きは中尊寺金色堂的な金ピカではなく、なんだか非常に複雑な色味をしている。

写真だと単に青と金の二色だなという感じだけれど、高精細の映像で見ると金の部分に青が反射しているということなのかなんとも幻想的なグラデーションになっている。現地に行って自分の目で見れば一層格別だろうと想像できる。

また、この礼拝堂の天井を見上げると一見モスクらしくドーム状になっているように見えるのだが、実は平面らしい。描き方によってドームかのように錯覚させているそうだが、そう言われて見ても平面だとは思えない。

ゴボーチェ2024/12/22

18日のグッド!モーニング(テレビ朝日)の「Good!いちおし」のコーナーでGOVOCE(ゴボーチェ)なるものを紹介していた。

なんとカカオをゴボウで代替したチョコレート。ゴボウ!?

作ったのはごぼう茶のメーカーで、焙煎したゴボウの香り成分の構成がカカオとかなり似ていることに気がついて代替チョコレートを開発することになったらしい。

チョコレート好きのアナウンサーが食べても違和感が全く無かったようで、カカオ危機から業界を救う画期的な一手になるのかもしれない。他の国でも他の材料で開発しているようだが、いつかはカカオじゃないのが当たり前になるのかも。

そうなったとして、カカオ生産地が一体どうなってしまうのかわからないが。

 

グッド!モーニングの「Good!いちおし」コーナーは美術や産業に関する面白い内容が多く、またコメンテーター制を撤廃していることにより要らんノイズも入らず俗っぽさがないので安心して見ていられる。時間は7:45からだったかな。

ゴミうんち展/ミミズの糞塚/クソバッジ2024/12/21

日曜美術館のアートシーンで「ゴミうんち展」という企画展の話をやっていた。

この中で、井原宏蕗というアーティストによるミミズの糞塚を使った作品が紹介されていた。かなり大きい作品だが、ミミズが作った糞塚に釉薬をかけて焼いて作られている。ミミズの糞塚というものに目を向けたことはこれまでなかったし、それを焼いて作品に残すというのは全く想像できない話でただただ驚いた。『made in ground』というその作品は見た目にも美しさがある。

あと山野英之というアーティストの「クソバッジ」という作品群も面白い。安全ピンをつけてしまえばなんでもバッジになる、ということで作られたものだが、「確かに!」と思った。

そういえば子どもの頃、小さな塩ビのフィギュアなんかにヒートンをねじ込んでキーホルダーにしていた。実際に何かにぶら下げて使ったわけじゃないような気がするけれど、そうやって手を加えると生まれ変わるような感じがしたのだ。

ABBA2024/12/20

NHKの「ドキュランドへようこそ」でABBAのことをやっていた。

 

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ABBAと言えば世界的に超有名なグループだが、地元スウェーデンでは冷ややかな目で見られていたらしい。なんで!?と驚いたが、保守的な風土では、ごく通俗的な内容の歌を作り、しかもあの衣装で歌うというのはすさまじく商業的に映ったようだ。

逆にオーストラリアでの歓迎ぶりはビートルズ並みで、それはそれで当人たちにとっては違和感があったらしい。まあ世界が動くレベルの熱狂が自分に向けられることに納得できる人などごくごく僅かだろう。世界中で流行るだけあるとは思うけれども、その結果生じる異様な盛り上がりというのはいつも不自然なものだ。

ABBAがスペイン語で歌ったことがあったのは知っていたしスペイン語版を聞いたこともあったけど、スペイン語での『チキチータ』がラテンアメリカで「連帯」の歌として影響力を持ったということは全く想像しなかったし驚いた。その意味でもビートルズ的なところがあったのだなあ。当人たちが政治的であろうとしたかどうかとは無関係に、期せずして政治的に強いエネルギーを持ってしまったグループだったのだ。

アメリカでは大して成功していないというのは意外なことだった。しかし成功しなかったという事実を前提に考えてみれば、確かにABBAはアメリカでは受けないのかもという気もしてくる。音楽に詳しくもない素人の印象だが、ABBAの音楽は緻密で完全で、「これが受け入れられないなんてことある?」という圧を感じる。その空気自体に拒否反応が出てもおかしくはない。

あと「ディスコ・デモリッション・ナイト」のことは全然知らなかった。『ヴーレ・ヴー』は個人的に一番好きな曲なのだけど、それが出た時にアメリカではそんなことになっていようとは。呆れ果てて絶句した。

子育てが同時に進行することになってしまったのはメンバーにとってある種不幸なことだっただろうなと思う。活躍できる時期と出産・育児の時期は大抵重なってしまうが、それは本人(特に母親の方)にとっても子どもにとっても取り返しのつかない種の負担が大きい。子育ては人生の中で基本的で普遍的なことであり、それが守られない働き方をしなければならないのはやはりどこか狂っている。あらゆる意味で、「搾り取る」ようであってはいけないと思う。

 

自分が生まれる前の話だし詳しいわけではないけれど、ABBAの曲はとても好きだ。良い曲だなあ、面白い曲だなあ、と能天気に聞いていた。

しかし、当時ABBAが置かれていた環境と、その時々に制作された楽曲を併せて考えた時、「なるほどそういう心境でこの曲調と歌詞か…」と思うに至った。音楽を聞くにあたって果たしてそういった経緯を意識した方がいいのかどうかはわからないが、大スターにも葛藤や苦悩や悲哀は当たり前にあり、単に「そういうタイプの曲も作ってみよう」みたいなことではなく当人にとって切実だからこそ会心の出来にもなるのだろう。

忍術はなぜ生まれた?2024/12/19

NHKの「歴史探偵」で忍者のことをやっていた。

伊賀はもともと寺社の支配力が強かった地域で、戦乱の世になり寺社の力が弱るとともに集落間の争いが絶えないようになり、その結果闇討ちをしたりそれから身を守ったりという技術が発展したということらしい。

いわゆる忍者屋敷は、他の集落からの襲撃を防ぐための館城(やかたじろ)であり、本当に必要に迫られてあのような絡繰が発展したようだ。そして館城はそれぞれ土塁と堀に囲まれており、ひとつひとつが要塞化している。

やがて他の国から攻めて来られるようになると(例えば織田軍)、自分たちの国全体を守るために結束を強めるようになり、忍者の里として今イメージするような雰囲気が出来上がっていったようだ。

忍者の里はいいがそもそもなぜ忍術なるものが生まれたのか、ということは考えたことがなかったのでその経緯には驚きを覚えた。

 

江戸時代以降、忍術はどうなったのかという話も面白かった。

諜報活動のために表向き和菓子屋になった服部の一族は、食料を長持ちさせる技術を使って日持ちする和菓子を生み出し大人気になっていたり。(密談も行われる茶会に近づける和菓子屋は諜報にうってつけだったようだ。)

時代が下り、火縄銃に次ぐ新式の銃が広まった時には国産の起爆剤を開発するなど、江戸時代以降も科学者・技術者として活躍していたり。

太平洋戦争の頃、陸軍は兵法書とともに忍術の本も集め、更に甲賀の忍術継承者を招いて兵たちに実際に指南もしていたり。

つい最近まで実際に使う技術として生きていたのだなあ。よく知らないだけで今も生きているのかもしれない。

 

(※数日前に見た番組について記憶に頼って書いているので間違いを含む可能性があります)