総集編の続きです。

 

42: Notionはこう使うことにした① 期間が限られたものを扱う

Notionは何度か付き合いを試みて失敗に終わってということを繰り返してきた。その失敗のほとんどが、「継続できない」ことにある。このまま続けられたらきっと素敵になるだろうと思いつつ、継続できないのだ。 その時点の生活に、「Notionの手入れをする」という時間を加えることができない。

Notionについて「何に使うか」を考えると、何でも素敵な気がしてきてしまう。実際自分が継続できさえすれば素敵な世界にしていってくれるのがNotionというオシャレな万能ツールのすごいところであって、 Notionの可能性に思いを馳せる限り自己不在の幻想が無限に広がっていく。

 

43: Notionはこう使うことにした② 公開状態を利用する

最後が今回の話の鍵で、人の目によく映るように整えたいという欲求だ。自分を良く見せたいという欲かもしれないし、少しでも見る側が楽しくなるように、そして負担がないようにという親切心かもしれないし、 とにかく他者の存在を意識することで「整えずにいられない」気持ちを抱くこと。

やはり他人の目というのは強力なもので、自分しか見ないなら「どうせ自分しか見ないし」という怠惰に流れがちな人も、誰かが見る可能性があると思えばもうちょっとちゃんとしようと思って頑張る気になることは少なくない。手を付けさえすれば「あっちももうちょっと」「ついでにこっちも」と言ってちょこちょこ手を加えたくなるものだったりする。

もうひとつポイントがあって――もしかしたらこちらの方が重要かもしれないが――一度公開してかつ実際に見に来る人がいる場合、基本的にはそのページを継続せざるを得ない。Notion以外の別の媒体に移るという選択はしにくくなるだろう。訪問者をむやみに振り回すわけにはいかないからだ。

 

44: Notionはこう使うことにした③ アイコンを使いこなさない

そのようにしてページごとに最強のアイコンを選ぶみたいなことをやっていたわけだが、その割に、実用上は思ったほど嬉しい感じではないことにやがて気がついた。選ぶのは楽しいのだが、そうやって選んだアイコンが並んでいる状態が本当に役に立っているかというと、どうも疑問符が付きまとう。なんでだろうと考えてみると、答えは単純だ。カラフル過ぎるのである。 いちいち情報量が多く、そして統一感がない。見ていてちょっと疲れてくる。 そのような選び方をしてしまっていた。

日常的に使うものについては、自分の「楽しい」が時にストレスを発生させるということにも注意を払う必要がある。

 

45: Capacitiesを使い始めた

これを見て、私は「そうなんだよな!」と膝を打ちました。思いつきや学びを書く所謂ノートと、本の情報や人の情報、議事録等々は、自分の中では明確に種類が違っています。 ひとつのツールで管理したいものではありますが、できれば分けて扱うことが可能であってほしいと思います。 且つ、ビューやプロパティがそれぞれに合わせて違っていると自然です。(中略)単にタグ付けで区別しただけでは私の中では不十分で、相応しい見た目をしていることでやっと納得に至った感があります。

 

46: CapacitiesのDaily Notes

 

47: Capacitiesを使い始めて一ヶ月/分類方法の使い分け

もし十年前とかに登場していたらきっとEvernote同様に機能の目新しさに振り回されていたが、色々と経て具体的に「私はこういうツールがほしいのだ」と思い描いている状態で出会ったから、必要なことを必要な分だけやり、無意味なことはしないということを自然と判断できている。いいことを思いついたと思っても、でもそれは実用的ではないんじゃないかと判定する嗅覚がだいぶ育っている。

Objectは色々と作っている。しかし作る前に必ず作るべきかどうかを書いて検討している。(中略)昔だったらとりあえずObjectを作ってみてしっくり来なかったら解体しよう、という順番でやっていたと思うが、 未熟なうちは「これは有効じゃない」という結論を下すのが難しく、ずるずると無意味に延命させて情報のごちゃつきを招いてしまう。 とはいえ実際に作ってみる前に検討できるのはそういう失敗の積み重ねがあってのことかもしれない。

自分に何も用意がない状態でこのアプリケーションを使い始めてしまうと、一体どれで何をすればいいんだと迷ってしまうかもしれない。その意味でCapacitiesは「初心者向き」とは言えない。 痒いところに手が届くのが嬉しいツールなので、逆に他のツールを渡り歩きながら痒さに苦しんでいるようじゃないとピンと来ない可能性がある。

 

48: ライフ・アウトライン日記: Capacitiesにお引越し

 

49: ノートツール環境スナップショット(2024/09)

 

50: 古のホームページ化を考える(日記)

一方で、別に何月何日に書いたかなんてどうでもいいような内容もあって、それがブログ的な形で並ぶのはなんだか見るのも書くのも変な感じがする。古のホームページの方がその点では自然にコンテンツが作られていたように思う。

 

51: Capacitiesでは扱わないでいること

扱う情報をクリアにすると書きましたが、そのニュアンスを伝えるためにはそもそもCapacitiesで何をしたいのかを明らかにすることが必要かもしれません。 私がしたいことを一言で言えば、自分の人生に直接関わっていることの把握と管理です。私がすること、したこと、見たこと、知ったこと、好きなこと。あるいは、私とは如何なる人間であるかを掘り下げること。 情報の種類を自由に定義できるCapacitiesは、その目的に非常にマッチしています。

重要なのは、Capacitiesがあることで他のツールの使い方も明確になることです。Capacitiesで混ざってほしくないものは、Capacities以外でも混ざってほしくなかったものです。しかしこれまでは境界が自分でわからなかったのでごちゃごちゃと突っ込んでは「なんか違うんだよなあ」と思い続けてきました。 Capacitiesを使うことは、自分が無意識に仕分けているもののルールを知る助けになると思っています。

 

52: Capacitiesのマイオブジェクト① 全体像

 

53: Capacitiesのマイオブジェクト② 自分と関係するモノ系

つまるところ、 「家」「生活」の雰囲気をそのまま再現する オブジェクトタイプになっています。モノの種類によってオブジェクトを作ってしまうとすれば、「知ったもの」「欲しいもの」など「まだ自分の生活と関わってはいないもの」を含めてしまう可能性がありますが、そういうものが混ざると自分の生活の様子を反映しないものになっていくので、ここではそういったものは混ざらないようにしています。

Capacitiesを使うようになって強く意識し始めたのが「 自分と直接関わっているか、そうではないか 」ということです。そのステータスは変化する可能性があるわけですが、オブジェクトタイプを後から変えられることによって、関わる前はItemオブジェクト、関わりができたら専用オブジェクト、というふうに簡単に切り替えることができます。

 

54: Capacitiesのマイオブジェクト③ 知識系

オブジェクトタイプを定義できるというのはとても素晴らしいシステムですが、全ての情報について然るべきオブジェクトタイプが定義されていなければならないと考え始めると途端に息苦しくなり、実用が難しくなってしまいます。

 

55: Capacitiesのマイオブジェクト④ Yearly Note

Yearly Noteオブジェクトで達成したいことは、「つまるところ、この期間はどういう雰囲気だったか」がひと目でわかるということです。(中略)ただ全部並んで表示されればいいというわけではなく、俯瞰の高度を上げるに従って記述がおおまかなものになっていかないと、全貌を把握するためにいちいち認知資源を大量消費してしまいます。 「参照しに行く手間が減る」ということと「俯瞰できる」ということは別物と考えています。

「Home」というページの問題点のひとつが、ホームとして適切な状態であるように更新し続けなくてはならないことでした。いや、もちろん本当の意味で「そうしなければならない」わけではありませんが、 アクティブなページとして意味をなすにはメンテナンスが必要 なわけです。で、要らなくなったものをえいやっと除去していければいいのですが、なんとなくそうしがたいことがしばしばあります。ページ自体を消してしまうわけではないにもかかわらず、そのページへのリンクをなんとなく取り除けないのです。「たまには見そう」みたいな曖昧な理由で残してしまったりします。そうして雑然とした感じが続きました。全く合理的ではありません。

 

56: Capacitiesのマイオブジェクト⑤ Webクリップ

最初はWebクリップというものを「きちんとオリジナルを保存しておくもの」と見なしていたので、個々の記事がオブジェクトであることに何も疑問を抱いていませんでした。(中略)しかし、検索をかけた時にそのページが検索結果に並ぶと、大きな違和感を覚えました。その記事のタイトルは私にとって「あれ」と指さしたい形のものではないからです。

複数のWebクリップをひとつのページの中に貼るということをすればそのページはどんどん膨張していきます。それでも、ページを分ける必然性が自分の中にないならそれでいいわけです。困ったり気持ち悪く感じたりしたら分ければよい話です。 自分の主観で「もはやひとつの塊とは言えない」となるまではまとめて扱うのがオブジェクトベースだと言えるのかもしれません。

 

57: Capacitiesのマイオブジェクト⑥ セルフマネジメント系

沢山のオブジェクトタイプが並んでいると圧倒されるような気持ちになるかもしれませんが、本人としてはこれらは「分類した」のではなく 「自分の中でそもそも分かれている」ものをそのままそれぞれ扱っているだけ のことで、複雑なことはありません。

今回書いたMapオブジェクトやDoingオブジェクトのようなものは、他の人が用意してくれるのを待っていてもおそらく一生叶えてもらえないだろうと思います。そういうものを定義したいと感じる人にとって、Capacitiesは強力な助けになるでしょう。

 

58: Capacitiesとマインドマップの両輪でいくことにした

このことについては「解決」はしていない(しようがない)が、このもやもやはエネルギーにもなり得る。あらゆる思考や思いつきは、発生時点で何とも結びつけられそうになかったとしても、完全に単独で存在しているということは多分ありえない。それが生まれた経緯や動機というものがあるはずで、自分の中にどういう思いがあることでそこに至ったのかを考える余地がある。それが見つかればその下に思考や思いつきをくっつけることができる。

客観的な分類ではなく自分の思いを突き詰める方向で上位ノードを考えていけばだんだんと集約される方向に向かうだろう。もちろん全てを一点に繋げる必要はなく、自分の中で分けて考えた方がいいものは違うマップにするなどして分けて考えれば良い。 いずれにしろ、位置づけに納得したいという気持ちを燃料にして整理を進めるというのは位置づけなくていいツールでは生まれない流れであり、それを積極的に利用するのはひとつの手だ。

 

59: Capacitiesのマイオブジェクト⑦ その後

この二つのことを合わせて考えた時に、「 Capacitiesが辞書になるのではなく、Capacitiesの中で辞書的なページを扱えばよいのではないか 」と思い至ったわけです。Node.jsの辞書、○○語の辞書、○○県の辞書、○○史の辞書、といったページがあり、それをまとめるオブジェクトタイプがあればスッキリします。

自分の生活に直結する情報を扱うオブジェクトタイプは後々のことも考えてきちんと設計する必要がありますが、知識の類は今現在楽しいと思えるのが一番で、今後も変わっていく可能性が大いにあります。

私がCapacitiesで作っているのは情報のデータベースではなく自分の興味に沿ったスクラップブックのようなものなので、 「どういうスクラップブックにしたら楽しいか」が唯一大事なこと です。

 

60: SoulLinkMapとの出合い

あまりにも応用可能性が広いのでチュートリアルのファイルを触ってもそれだけでは一体何をどうすればいいのかよくわからなかったりするのだが、私の中にあった「こういう見た目でこういう構造のツールがあったらいいのに!」という要求にほぼそのまま応えてくれるアプリケーションであることに気がついてからは、それまで辺りを覆っていた霧がすっかり晴れたような感じで自由に使えている。

私個人の感覚で言うと、Capacitiesに向かないものイコールSoulLinkMapに向いているもの、という感じで、時代を超えて相互に凹凸がカチッと嵌まるものに思えて一人で感動している。「あれ」と指させるもの(=オブジェクト)はCapacities、どうにか言葉で表現するしかないもの(≒サブジェクト?)はSoulLinkMapで扱えばいい。

 

T5: 手帳についての自分語りおよび来年の手帳・ノートのこと

それゆえ手帳を使うということをずっと試み続けていますが、「試み続けている」という状態から前進できている感じはしません。パートナーのような存在になっていかないのです。そもそもの話、自分が手帳に何を求めているのかが曖昧です。言うなれば、 人を愛するイメージも人と暮らすイメージもないのに漠然と結婚した~いと言っているかの如き体たらくです。

ここで、二つの選択肢が私の中に生まれました。ひとつは、手帳にパートナーとしての役割を担ってもらうこと。それは私がずっと手帳に対する憧れとして抱いてきた道です。もうひとつは、パートナー感に飢えることをやめ、「参照」のために使うと割り切ること。 イメージとしては最強の「生き字引」になってもらうことです。 いやそもそも生きてないしそれはただの字引だろう、というツッコミが入るに違いありませんが、手帳を最強の字引にするには私が育てなければなりません。現時点の私の手帳はまだまだ頼りないものです。その意味で手帳には生きもの的側面があり、やはり単に字引というよりは「生き字引」のイメージがより相応しく思えます。

 

61: 虫眼鏡を当てさえすればよい

要は、 新しいことを書こうなんて思っていないところにも、真剣に書きさえすれば新しいことは生まれるのだ。 むしろ、新しくないし大した意味もないようなところに何らかの新しい意味が生まれ出ることの方が楽しいし、素朴な感動がある。

となれば、何かしら書きたいとなった時に考えるべきは、「何を書こうか」「何を言おうか」ではなく、「何に虫眼鏡を当てようか」ということになる。 何に虫眼鏡を当てても何かはある。何かを見出すまで倍率を上げ続ければ良いのである。

 

62: B6バインダーを自作する(案)

あまり立派なのは勿体ないし加工も難しいのでやめておくとして、百均に売っているようなややペラっとしたバインダーならカットしようと思えばできる。というか、 かなり前の話だが『「超」整理法』に感化されて「超」整理手帳の真似事をしようとして、Z式バインダーを切って使っていたことがある。 (中略)その試み自体はまあお遊びのようなもので実用的というわけではなかったが、面白いことをやってみた感はあった。

 

63: 「へえ~」なメモと記事データを一体で扱う

一方で 「あわよくば記事にしてしまおう」というある種の下心があると「気が向く」のでちょっと労力を割いて調べ物を進められる。 結果として、メモはノートになり、「へえ~」の感動はより深いものになり、自分の心はアウトラインの規模とともに豊かになっていく。

この「自分にとって意味があればいい」と「増やせるなら増やしたい」の掛け合わせによって、今まで宙ぶらりんになっていた「へえ~」にフローが生まれ、最終的に公開するにせよしないにせよ、記述を豊かにする動線ができるようになった。メモに根拠のある居場所ができたことにはかなりのスッキリ感がある。

 

64: ObsidianをWebクリップ用ツールにすることにした

あと個人的には、Evernoteのデータというのがひとつの大きなデータベースとして存在していたのも「不純物の混在」を強く感じさせる要因になっていたなと思う。ローカルファイルならひとつひとつのページをもっと自由に「個別のファイル」として認識できて、邪魔になったらとりあえずアプリケーションが自動で認識しない場所に取り分けておく、みたいな操作をできればスッキリできた。それは「バックアップを取っておいて削除する」とは感覚的に異なる操作なのだ。

クリップしただけでは役に立たない、というのは本当にそうだと思う。なので情報を役立てるためには自分の手と頭を使って情報を適切に加工する必要がある。それはそれとして、とりあえず自分の手元に持ってきて安心を得るというのも私の中で重要なことなので、それが簡単かつ綺麗にやれるObsidianのWebクリッパーの登場はたいへんありがたい。

 

65: 記事ページに「構造化データ」を設定した

 

66: 目次と索引とオブジェクト

ネットワーク型の情報管理が流行る中、階層構造での管理は欠点が目立ってどこに行っても批判されているような状態ですが、しかし完全に階層構造をなくすことに私は不安感がありました。それはつまり、「目次がない」あるいは「地図がない」という心許なさだったのでしょう。

 

67: 自分のノートフローを明らかにするために

そういうことを考える時に、まずどこにどう書いて考えるのか、それもはっきりしない。というのは、 考えようとしている領域を指し示す呼称がないからだ。 もちろん、単に考える場を作るという意味ではどのツールでもいいから「私は結局どういうシステムを働かせて動いているのだろうか」という項目なりページなりを作ってその中に書けばいいのだが、名前がないと考えた結果を取り扱いづらいし多分継続的に考え続けられない。

ということで、自分が考えようとしていることを「ノートの流れ」、つまり「 ノートフロー(note flow) 」と表現することにした。ChatGPTに「これこれこういうことを指してノートフローと言い表そうと思うがどうか」ということを尋ねたら「英語的にも自然だし良いと思うよ!」という旨が返ってきたのでこれでよしとする。

 

T6: 目次必要性の傾向を考える

そう考えると、用途別ということに加えて例えば「掴みたさ」の強度を基準に強・中・弱くらいに分けてそれぞれ適当なツールをピックアップしてみるというような試みもありかもしれません。傾向で語ることはツールの正確な理解には必ずしも貢献しませんが、しかし無意味なことでもないと思っています。

 

68: 『ライフハックの道具箱2024』にてCapacities紹介記事を書きました

書くにあたっていつもの数倍神経を使いはしましたが、短い記事を一本提出するだけなので、そんなにきっちりしなくてもできたことではあります。しかし 敢えて雑にやる意味もない ので、意識的に情報をきちんと整理しながらやりました。元々几帳面な質ではなく油断するとすぐ雑然とするので「どうせなら綺麗にやっていこう」と意識しています。

Capacitiesはその「どうせなら綺麗に」という気持ちを惹起してくれるので、ズボラ人間でも恰も几帳面な人かのように情報を整えられます(個人の感想かつ当社比の話です)

 

69: 下半期の振り返り

 

 以上です!


 ところで、去年まではこの「よくわかる~」のまとめは全て手作業で作っていました。記事とエディタを往復してコピペを繰り返すわけです。しかし今年はDynalist上で各記事のピックアップしたい行に色をつけておき、プログラムでまとめて機械的に出力してちょちょっと整えるだけで済むようになりました。記事データを全てDynalistで管理することによって可能になった処理です。

 デジタルデータは自分で自由に加工できてこそ、と思います。

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