Windows10のサポート期限絡みでLinuxへの移行の話を見かけ、そういえば古いノートPCがあるけどそれでもいけるんだろうかとふと思い、試しにインストールしてみることにした。
元のOSはWindows Vista、システムは32bitでメモリは4GB……と思ったけど3GB。元々2GBだったけど足して4GBにして、その後新調したPCにメモリを移したので現時点で3GBになっている。
購入時点であまり良いPCじゃなかったし、割とすぐ動きがもたつくようになり、最終的に何をするにもいちいち分単位で待たなければならない状態になっていた。とても仕事ができないので処分するしかないと思っていたが、なんとなく面倒くさくてそのままにしていた。
どうせ処分以外の道がないので、失敗覚悟でLinux導入にチャレンジすることにした。Windowsはもう残していてもしょうがないので、そちらは消去してLinuxをネイティブインストールする形だ。

さてLinuxディストリビューションを選ばなければならないが、32bitなのでUbuntuは使えない。何がいいのかよくわからなかったが、軽く調べたところQ4OSというのがWindowsライクかつとにかく軽量で古いPCでも使えるという話だったのでこれにすることにした。
Q4OS - desktop operating system
32bit用のディスクイメージをダウンロードし、Rufusというフリーウェアで「起動可能なUSBドライブ」を作る。
Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
これを挿してPCを起動する。自分のPCは自動ではUSBドライブから起動できなかったので、BIOS設定画面で起動順をいじって起動した。するとインストールが始まった。全部終わるまで1時間以上かかったと思う。10分で終わったと言っている人もいる。
初回の再起動の時点ではなんか想定と違う画面(Q4OSが効いてない状態?)で日本語入力もできず混乱したが、もう一度再起動したら諸々反映されて日本語入力も正常になった。
ぱっと見た感じではほとんどWindowsという感じで、使用に違和感はなさそうだった。もっと独特でプログラマーでもない身では苦労するのかと思ったがそんなことはなかった。素人でも普通に使えるように整えてくれている開発者の皆さんに感謝。

とはいえ、本当に全くの素人ではさすがに辛い感じがある。CLIがわからないと割と何もできない感があるので、普段からCLIを使う程度にはPC慣れしていた方がいい。Linuxの解説はその程度を最低限のレベルとして書かれているように思われる。
あとCLIでsudoコマンドを実行するとパスワードを要求されるが、普通パスワードを入力すると打った分だけ「*」や「●」が並んでいくのが、これだとそういう反応が何も無いので「パスワードが打てないぞ???」と困惑した。実際はちゃんと入力されているので一通り打ってEnterを押せばよかった。
とりあえずOneDriveを同期してみた。
abraunegg/onedrive: OneDrive Client for Linux
このクライアントのインストールも簡単とは言えない。自分で考えて判断しなければならないことがいくつかある。しかしまあどうにか乗り越えてインストールして無事に同期した。

ここまでやって、プチフリーズみたいなことは全然なかった。前はいちいちカーソルが円になってぐるぐるしていたのに、そのようなことが全く無い。そういう挙動の重さというのはパーツが物理的に経年劣化して起こるのかと勝手に思っていたので、環境次第でこんなに快適になるということにかなり驚いた。
32bitであるということはどうしようもないので最新の環境を構築することはできないが、メインPCに何かあってもある程度のことはこれでカバーできる。処分を待つだけだったガラクタが普通に使えるれっきとしたPCに生まれ変わって感動した。
まだほとんど空っぽの状態なので使い続けた時にどうなるかは未知数だが、いずれにしてもWindows Vista時代よりはスムーズだろう。

よくわからないもの代表のひとつだったLinuxを取り入れるという実績も解除でき、自分としてはなかなか劇的なことだった。