○○ファーストという思想について思うのは、仮に○○に入るものに迫っている喫緊の課題を解決したとして、解決したのでじゃあ範囲を広げて考えるようにしていきましょう、と滑らかに移行するとは到底思えないということ。
それどころか、そもそもありとあらゆる社会的・政治的な課題が、どれだけ取り組んでも「すっきり解決」ということにならない。一度○○ファーストに傾いたら「こんなにやってもすっきり解決しない」ということによってますます先鋭化するしかない気がするし、それは外的な力で粉砕されるまで続いてしまうのではないか。
「まずは○○を守ろう」と言うとき、「まずは」の部分について真剣に考えているのかどうか。

「優先順位」は魔法の杖ではない。「優先順位」と言うから何か良いことのような気がしてしまうかもしれないが、単に「序列」と言えばなんとなくまずいかもしれない予感がしてくるだろう。「○○ファースト」はもろに序列的な表現だが、外来語にしているからビジネス的な軽いノリのように受け止められているように思う。
国政に関わる重要な指針を軽い外来語で表現すること自体大変に不愉快である。