The Beatles - Now And Then (Official Music Video) - YouTube
The Beatles最後の新曲。
私自身はビートルズについては全然詳しくないけど、親がビートルズ大好き人間なので、私もある程度曲は耳にしている。
そして今年度はNHK-FMでビートルズについて掘り下げるラジオ番組が放送されているので、毎週日曜日の昼はこれを聴いている。MCは杉真理さんと和田唱さんの交代制。
2023/11/19放送の回(MCは和田唱)で、「Now And Then」について深掘りしていて興味深く聴いた。ジョン・レノンのデモテープに入っていたBメロ(日本で言うところの)が全カットされたという話が印象的だった。和田唱さんは甚くショックを受けたようだ。
音源をそのまま流せないということで和田唱さんが歌ったのを聴いたのだが、確かにこれはあった方が良かったんじゃ……という気持ちになった。なんとなく、「Now And Then」は要素が少ないというか、物足りないというか、そんな印象を持っていたからだ。
しかもプロジェクト開始当初の歌詞ではちゃんとBメロ部分が存在していたようなのに、なぜポール・マッカートニーは最終的にこれをカットしたのか。それについて和田唱さんが考察したところによると、日本で言う「Aメロ→Bメロ→サビ」という構成になるとイケてないと判断されたからではないか、ということだった。あくまで和田唱さんの推理だが、なるほどと思った。
私は完全なるJ-POP脳なので、Aメロ→Bメロ→サビという進行が自分に馴染むわけだけど、洋楽だとそういう構成はそんなに多くはない印象がある。その上、ジョン・レノンがこれを書いた70年代末と、他のメンバーがこの曲を完成させようとプロジェクトを立ち上げた90年代半ばと、そしてAI技術向上により完成に至った今の2020年代とでは、格好良いとされる展開が違っているのは尤もなことだ。今やるとダサい進行なのかもしれない。
親(=完全なる洋楽脳)とこの件について話してみても、「確かに少しあっさりし過ぎているかもしれないけれど、このBメロが全部入っちゃうとちょっとサビに戻って来づらい感じがするから微妙」という意見だった。脇道に逸れ過ぎ、みたいな感覚のようだ。なるほど。私としてはBメロで変化を付けながらサビまで徐々に盛り上げていってドーン!みたいな曲がしっくり来るので意外な見解と感じたが、同時に納得もした。
じゃあそれならと、和田唱さんはひとつの試行として、サビの方をカットしてデモテープにおけるAメロBメロで構成したバージョンを自分で演奏・歌唱し、番組中で流した。これを聴いてなるほど~~~と思った。私はこちらのバージョンが結構気に入った。でも、本来のサビ部分にある明るさ(曰く「救い」の部分)がカットされてしまうとちょっと曲が暗すぎるかもという話もあり、それも確かにと思う。
結局のところ、実際に発表された「Now And Then」が全てであり、その他の可能性というのはもう選ばれなかった選択肢だ。もちろん、今になって新曲が発表されること自体が奇跡であって、すごいことだし有り難いことだと思う。
ただ、ジョン・レノンがBメロ部分を作っていたこと、そしてその部分は大変美しくて全カットするにはあまりに惜しいことは確かで、何らかの形で採用されたバージョンをビートルズの曲として聴いてみたかったなと思わずにはいられない。
それにしても、ジョン・レノンは全く意図していないはずのことだが、間もなく亡くなったことを踏まえてこの曲の歌詞を読むと、突然この世を去ってしまったジョン・レノンと去られてしまった三人の間の心情と重なるように思えて、当時を知らない若造の身でも胸を締めつけられる。
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