NHK-FMに「音楽遊覧飛行」という番組がある。
四人のパーソナリティが週替わりでそれぞれひとつのテーマを担当していて、そのうちのひとつが「映画音楽ワールドツアー」。2016年4月から紺野美沙子さんがやっている。その前は中川安奈さんだったけど2014年に急逝。
(ちなみにFire Danceの項では向谷実さん担当の「ミュージックエクスプレス」に触れた。)
で、新旧問わず様々な映画の音楽を紹介している良い番組なのだけど、紺野美沙子さんのトークがゆるふわで面白い。豊かな人生経験を感じさせつつわざととぼけたようなコメントをして笑いを誘う感じがある。
映画の内容やリスナーのお便りに対して、「私はこう思いました」「私はこうでした」という種の素朴な感想を言うのだが、話し方が多分すごく巧みなのだろう。だいたい話のオチとしては弱そうな内容に着地するのだけど(とても素朴な感想であるため)、ペースを緩めて「この感想が着地点です」と分かるように話しつつ、そこでスッと引いて間を取るので、なんだかシュールな空気が漂って笑ってしまう。それ以上のオチがないことがむしろ可笑しい。
その空気がウケることを分かっていて狙ってやっているのだろうけど、それがウケると確信できること、そして毎度絶妙にその空気を作れることは才能だと思う。あの落ち着いた声の感じも素敵だ。
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