諸般の事情により「後で書こう」と判断した題材があり、数週間経っていざ書こうとしたら全然筆が進まなくなってしまった。
そうやって途中でやめてしまうと「流れで書く」タイプ*1は駄目なんだということを前に自分でも書いた気がするが(少なくともそのような話に同意を表明したはず)、それにもかかわらず「後で書こう」と言って放置して案の定書けなくなっている。なんと愚かな。
後回しにしても大丈夫だと思う程度に存在感の大きい題材だったので、まあいつでも流れに乗れるだろうと判断したのだが、そんなことはなかった。
存在感が大きいことは変わっていないが、書きだす取っ掛かりがもうわからない。最初にもやもやとあったイメージはどこかに飛んでいき、その時点で残したメモを見て今想像できる世界というのは最初のイメージよりずっと小さい。今書こうとするとそのメモに依存しすぎてしまう。当時は全体の中の部分でしかなかったメモが、時が経った今では残されているものの全体になってしまっている。
そして、うちあわせCast第百三十六回でTak.さんが語っておられたが*2、「メモの断片」ではいまいち矢印が発生しない。「書きかけの記事」になるまで表現を進めるか、あるいは「ツイート」にしてしまわないと、当時の気分を再現することが難しくなってしまう。
日頃の投稿までの流れがこの誤った判断を誘発している。というのは、私は普段記事のストックを作らない。これは適当にマイペースにやることが許される(そして自分に許している)個人ブログだからの話だが、書けそうな話があると、大体その場で書いてしまって、書き終わったらもう投稿してしまう*3。「書く」と「投稿する」が直に繋がっている(投稿せずに没にすることはあるが)。
そうすると、複数書けそうなものが溜まっている時や、時期的にちょっと後にした方がよさそうと判断した時などに、「投稿する」が先になった分同時に「書く」も先送りしてしまう。他のものを書いてから着手しよう、になってしまう。
挟まるのが一本二本ならどうにかなるのだが、それ以上になってくるとどんどん厳しくなってくる。だんだんその題材の光が失われていくので、嬉々として着手するという感じにならなくなる。そうして更に後回しになり、ついにその題材は息絶えて書けなくなってしまう。勿体ない!
ということで、「後で書こう」はやめて「今書くけど後で投稿しよう」を心がけたい。
時間には限りがあるのでそう思えば書けるという話ではないのだが、せめて着手しておけば、書き終えた部分が持つ矢印の力によって、未来の自分がそれをいくらかでも引き継げる可能性が高まる。流れで書くタイプゆえ最初の段階で思い描いたものを保持し続けることは無理だが、着手しないとすっかり全部消えてしまって未来の自分がどうにもできなくなる。新たな芽が出る可能性も薄れてしまうのである。
*2: 第百三十六回:Tak.さんとコウさんとアウトラインを使って書くことについての疑問 - 知的生産の技術
当該部分→Podcast感想 #43 のらてつの雑記帳 - zawazawa
*3: 書き終わったらとは言っても、推敲や様子見に一日以上かけることはある。書いた時のテンションが後から見ると変だったりするからである。
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