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デジタル日記の試み①~Scrapboxに日記用プロジェクトを作ってみる~
日々繰り返している試行錯誤について、ちゃんと記録してもっと記事にしていこうと思ったので早速着手することにした。
私はデジタルツールで日記をつけるということにずっと悪戦苦闘しており、最近もあれこれ試しているのでひとつずつ書いてみる。
気持ちとしては例によって「日記のつけ方ド下手問題」と題したいところだが、今回の場合は自分との対話というより単に試したことをさらっと書いていきたいので、簡単に「デジタル日記の試み」とした。
日記というものについてはまず紙に書くかデジタルツールに書くかという選択があるわけだが、日記や手帳の特集でしばしば見かける「毎日ぴしっと日記帳に書いてそれが五年十年と経って宝物になっている」という光景にそれはもう大変な憧れがある。しかし残念ながら、私の人生に於いて日記帳の一年以内の挫折率は今のところ100%であり、どうやら手で紙に書き続けるというのは私には無謀な挑戦らしい。
媒体の種類以前に、「日記を書くこと」の習慣化自体にもハードルがあるようだ。日記帳や手帳に毎日同じような心持ちで向かうことができないために、「日記の時間」の確保がどうも有効に働かない。隙間時間に「今これやった」「今こう考えた」を打ち込んでおいて、気が向いた時にそれなりの形に整えるのがせいぜいだ。
編集できない文章をいきなり紙に書いてしまうことにも心理的に大きな抵抗がある。後から「この表現微妙だな」と思うと気になってしょうがない。デジタルなら見つけ次第いちいち修正するのかというとそうでもないのだが、微妙な表現が放置されていることそのものより「書き直せない」という制限を感じるのがストレスになる。それを回避するには下書きでもして納得のいく表現を用意してから書くしかないが、しかし日記というのはわざわざ練って書くようなものではないだろう。そんな暇はないのである。(作品として発表するつもりなら話は別だが)
ということで、憧れは諦めて自由に編集可能なデジタルツールに書くことにしたはいいが、長い間ひとところに定められずDynalistとScrapboxとその他のサービスやフリーウェアの間で彷徨っている。結局のところ紙にしてもパソコンにしても、何でもいいからどれかひとつの形式を決めてそこに淡々と書き続ければいいだけの話であるにもかかわらず、私の気質に問題があるのかそれがなんとしてもできないのである。大学ノートに書き始めていつの間にか何十冊に、みたいな話を聞くたびに私もそうでありたかったと溜息をついてしまう。
私がどういう問題を抱えていることによってあちこち転々とする羽目になっているのかは今回は考えないが、最近試したいくつかのやり方はそれ以前と比べて不満が少なく、見当違いの努力で迷走している感はなくなってきたので、どうやらある程度気分の振幅が抑えられるようになったらしい。
今年の6月から9月いっぱいまでやっていたのが、Scrapboxに日記用のプロジェクトを用意して書くというやり方である。
全てのページを「yyyymmdd 出来事」の形にして、発生したイベントや視聴した番組のメモ、耳に入ったニュース、考え事などを書いていく。認識としては日記だが、1ページに1日全体をまとめるのではなく、1ページには1イベントだけ記す格好だ。例えばこんな感じ。
記述は十行以上になることもあるし、タイトルだけで本文は一行も書かないこともある。(ちなみに実際にはケーキを買ったりはしていないし最寄りの駅前にイタトマはないのだが、サンプルのために適当に書いたら食べたくなってしまった。しばらくケーキ食べてないなあ。)
出来事と書いたがいわゆる出来事の範疇に留まらず、Web記事やYouTubeで見た動画、漫画の感想などもこの形で書いていった。フォーマットはなく、検索で出てくれば良いということにしてリンクも気分次第で、とにかくゆるくやることを意識した。一日に10ページ作る日もあれば1ページもない日もある。また、例のように日付のリンクも張っていない。張ってもいいと思うが、張らなくてもよかったので張らなかった。
ひとつ心掛けていたのは、ページ一覧画面でサムネイルによって内容を視覚的に判別できるようにすることで、フリー画像を使ったり写真をアップロードしたりロゴ画像を借りたり、なるべく何かしらの画像をつけるようにしていた。ページ一覧画面にサムネイル画像が並んでいるとポップな感じがしてとても気分が良い。
なお、個人用のプロジェクトをひとつにまとめたい人は他の用途と兼ねても良いだろうし、そうすることに堪えるのがScrapboxだと思うが、個人的には混ざってしまうとどちらの用途から見ても互いにノイズになっているように感じてしまうので日記専用のプロジェクトを作った。今ならUserCSSで特定の文字列から始まるページをフィルタリングして一覧から除くといったこともできるので、ノイズ感を低減する工夫の余地はあるだろう(私がこのプロジェクトを作った当時は、特定のページを非表示にはできても空間を詰められず虫食い状態が避けられなかった)。
数百ページ作ったところで結局このやり方もやめてはしまったのだが、特に不満や違和感があったというわけではなく、まあこれはこれで悪くないよなと今も思っている。何より日記の粒度についての学びが大きく、また視覚的な気分の良さを重視すべきだという意識も培われた。この先に試したことでもその感覚は大いに活かされている。
Scrapboxでなければならない理由がないがゆえに、他の可能性を試したくなりフェードアウトしたが、またそのうち戻ってくるかもしれない。
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