村主章枝さんの今で書いたように、十数年前までフィギュアスケート競技をテレビでよく見ていた。
会場に足を運ぶほどの熱意ではなかったが、毎年グランプリシリーズなど主要大会の成績をノートに書き取ってまとめたりする程度には熱心にチェックしていたし、フィギュアスケート競技の季節になるのを楽しみにしていた。(以下、敬称略) 好きだったのは、安藤美姫、鈴木明子、本郷理華、宮原知子、エレーナ・ラジオノワ、エリザベータ・トゥクタミシェワ、高橋大輔、ステファン・ランビエール、エヴァン・ライサチェク、ジェフリー・バトル。 当時はストレートラインステップというのがあり、端っこからさあ行くぞという感じで滑り出す瞬間にはワクワクした。安藤美姫のシェヘラザードと高橋大輔のオペラ座の怪人が特に印象に残っている。 あと当時ならではなのは長いスパイラル。村主章枝と浅田真央のスパイラルが目立っていたと思う。 イリーナ・スルツカヤのビールマンスピンや中野友加里のドーナツスピンも印象深い。当時は全員が何でもできるわけではなかったし、代名詞となる必殺技みたいなのを持っている選手が多くて面白かった。 あと20年前くらいは男子は大柄な選手が多くて迫力があった。ブライアン・ジュベールは179cmだしエヴァン・ライサチェクは188cmもある。明らかに細身という印象なのはジョニー・ウィアーくらいだった気がする。 比較的近年の話で言えば、紀平梨花のA Beautiful StormやInternational Angel of Peaceはテーマが壮大で良かった。男子ではミーシャ・ジーや町田樹もそうだが、音楽的に独特の世界観を持っている人のプログラムは見ごたえがある。
最近のフィギュアスケートは一昔前と比べたら曲芸のようだ。すごいことをできるすごい選手がたくさんいる。レベルがもはや全然違っている。
その流れでは必然的なことかもしれないが、素人目には多様性はやや失われた感がある。もちろんそれぞれ違った雰囲気を持ち違ったプログラムをやっているが、「フィギュアスケートってこういうものだよね」というのが固まってきている感じがある。
まあそもそも「競技としての演技」が多様だったのがおかしかったのかもしれないし、スポーツとして発展途上だったということなのかもしれない。高度に成熟した今のフィギュアスケートに於いては、個性の発揮はアイスショーでということなのだろう。
エテリ・トゥトベリーゼコーチの台頭以前はロシアの選手やコーチも結構好きだった。彼女のやり方が通用してしまったこととその後の情勢とは、正直無縁ではないように思えてしまう。こうなるような国になった(戻った)から、こういう指導が通るようになったんだろうなと。